長野県下伊那農業高等学校

長野県下伊那農業高等学校は、長野県飯田市鼎名古熊に位置する公立の高等学校です。地元では「下農（しものう）」という略称で親しまれています。学校の文化祭は「稲丘祭」と名付けられており、この名称は学校が所在する地域の地名に由来しています。

本校の歴史は、大正時代にさかのぼります。1920年5月22日に、下伊那郡立下伊那農学校として設立され、地域の農業を担う人材の育成を目指して教育活動を開始しました。

戦後、日本の教育制度が大きく変わる中で、本校も変革を遂げました。1948年4月には学制改革が実施され、長野県下伊那農業高等学校と改称され、新たな体制で歩みを進めることとなります。

学校の規模や組織も時代に合わせて変化してきました。1951年4月1日には、本校に設けられていた定時制の6分校が、長野県阿南高等学校へと移管されました。その後、1955年4月1日には、長野県阿智高等学校から根羽分校が本校に移管されるなど、分校の再編成も行われています。

教育内容の充実に向けた学科の設置や改編も積極的に行われてきました。1963年4月1日には、社会のニーズに応える形で生活科が新たに設けられました。さらに、1986年4月1日には、農業科の一部が農業機械コースへと再編成され、生活科の一部は食品化学科へと改組されるなど、専門分野の細分化・多様化が進みました。続く1988年4月1日には、農業機械コースが独立した学科となり、農業機械科へと改組されました。同年4月27日には、自動車整備士養成施設としての指定を受けるなど、農業分野だけでなく、関連する技術分野の教育にも力を入れるようになりました。

その後も学科の再編は続き、1997年4月1日には、従来の農業科が生産流通科へ、園芸科が園芸クリエイト科へと名称・内容を改めました。2003年4月1日には、生産流通科と生活科が統合・再編され、アグリサービス科が誕生しています。

そして、2020年11月には、学校創立から100周年という大きな節目を迎え、記念式典が盛大に執り行われ、これまでの歴史を振り返るとともに、これからの発展への決意を新たにしました。

学校歌については、作詞を日夏耿之介氏、作曲を小松清氏が手掛けています。

本校へのアクセスは、東海旅客鉄道（JR東海）飯田線の鼎駅が最寄りの鉄道駅となります。

長野県下伊那農業高等学校は、創立以来、地域の農業教育の中核を担い、時代の要請に応じた教育内容の見直しや組織改編を重ねながら、多くの卒業生を社会に送り出してきました。今後も地域の発展に貢献する人材の育成が期待されています。

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