長野県営野球場

長野県営野球場

長野県長野市にある長野運動公園の中に位置する野球場が、長野県営野球場です。親しみを込めて「長野運動公園野球場」や「県営長野球場」などと呼ばれることもあります。施設の所有権は長野県が有していますが、実際の運営管理業務は長野市からの委託を受け、現在は指定管理者としてシンコースポーツ長野支店が担っています。

建設とその歴史

この野球場は、住民の福祉向上に寄与することを目的に、長野県都市公園条例に基づいて1966年（昭和41年）に建設が始まり、同年に完成しました。開場以来、主に高校野球や社会人野球といったアマチュア野球の公式戦会場として利用されてきました。

また、プロ野球公式戦も過去に複数回開催されています。具体的には、1973年、1974年、1978年、1984年、1986年、1989年、1997年にプロ野球の試合が開催された実績があります。

2000年（平成12年）には、市内に新たに長野オリンピックスタジアムが誕生しました。さらに、市内城山地区にあった長野市営城山野球場が施設の老朽化に伴い、同年シーズンを最後に閉鎖されました。これにより、長野市周辺の野球場環境は大きく変化しました。

改修と施設の現状、そして利用状況の変化

開場から時間が経過したことを受け、2001年（平成13年）には大規模な改修工事が行われました。この改修によって、グラウンドのフィールド部分は国際試合を開催できる基準を満たすようになりました。しかし、観客席であるメインスタンドは、開場から40年以上が経過した当時からの構造を改修しながら使い続けており、最新の設備に比べると老朽化や陳腐化が進んでいる点は否めません。

長らく、特に高校野球においては、県営野球場が北信地区における主要な公式戦会場として利用されてきました。これは、後から完成したオリンピックスタジアムのフィールドが全面人工芝であることに対し、長野県高等学校野球連盟が「人工芝は選手の体に負担をかける可能性があり、また県内全域の高校が平等に人工芝でのプレーを経験する機会を得にくい」といった懸念から、人工芝の利用を敬遠する傾向にあったためです。しかし、近年では状況が変化し、2021年（令和3年）時点では、主要な大会でオリンピックスタジアムが使用され、県営野球場が利用されるケースは減っています。

一方で、プロ野球とは異なる独立リーグにおいては、県営野球場の存在感が増しています。ベースボール・チャレンジ・リーグに所属する信濃グランセローズは、2011年（平成23年）からこの球場で公式戦を開催するようになり、2017年（平成29年）には地区チャンピオンシップの1試合が行われました。特に2018年（平成30年）以降は、オリンピックスタジアムでの開催数を上回り、信濃グランセローズにとって年間で最も多くの公式戦を開催するホームグラウンドとなっています。

施設概要

長野県営野球場の主な施設仕様は以下の通りです。

構造: 鉄筋コンクリート造りです。
グラウンドサイズ: 両翼までが98メートル、センターまでが122メートルとなっています。
フィールド: 内野はクレー（土）、外野は天然芝が採用されています。
スコアボード: 磁気反転式が使用されています。
ナイター照明: 6基設置されていますが、プロ野球公式戦を開催するには照度が不足しています。
収容人員: 合計16,000人を収容可能です。内訳は内野席が10,000人、外野席が6,000人です。

交通アクセス

この球場への主な交通手段は以下の通りです。

鉄道: しなの鉄道北しなの線 北長野駅、または長野電鉄長野線 信濃吉田駅から、いずれも徒歩でおよそ20分程度で到着します。
駐車場: 球場利用者向けに約200台分の駐車場が用意されています。

長野県営野球場は、半世紀以上の歴史を持ち、アマチュア野球から独立リーグまで、多岐にわたる野球の舞台として地域のスポーツ振興に貢献し続けています。

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