長野県道279号槍ヶ岳上高地線

長野県道279号槍ヶ岳上高地線について

長野県道279号槍ヶ岳上高地線は、北アルプスの槍ヶ岳山頂から松本市の上高地へと至る、かつて存在した一般県道です。この路線は、登山道としての性格が強く、現在では道路としての供用は廃止されています。

概要

この路線は、その特異な起点と終点からもわかるように、一般的な道路とは異なり、登山者向けのルートとして利用されていました。しかし、1982年に道路としての供用が廃止され、現在では地図上にもその痕跡はほとんど残っていません。

路線データ

起点: 槍ヶ岳山頂
終点: 松本市安曇（上高地）

歴史

この路線の歴史は、1922年（大正11年）にまで遡ります。当時は「松本鎗ケ嶽線」として県道に認定され、現在の国道158号から長野県道24号上高地公園線を経由して槍ヶ岳山頂へと至るルートでした。

その後、路線の状況は変化し、1953年（昭和28年）には一部が二級国道福井松本線（現在の国道158号）の一部となり、1954年（昭和29年）には主要地方道上高地公園線として指定されました。1959年（昭和34年）の県道路線の大幅な改廃の際に、松本槍ヶ岳線は廃止され、残りの区間が新たに槍ヶ岳上高地線として認定されました。

認定当初の路線区域は、槍ヶ岳山頂から南安曇郡安曇村字上高地（現在の松本市）までの21.6kmでした。しかし、1982年（昭和57年）に道路の供用が廃止され、現在では長野県の道路現況にも記載されておらず、実質的に廃止された県道として扱われています。

路線が廃止された背景

槍ヶ岳上高地線は、登山道としての利用が主であり、自動車などの車両が通行できるような道路ではなかったことが、道路としての供用が廃止された大きな理由と考えられます。また、周辺の環境保護の観点からも、道路としての維持が困難であったという側面も考えられます。

現在の状況

現在、槍ヶ岳上高地線は、登山道として整備されている場所もありますが、県道としてはその役割を終えています。かつて道路であったことを示す痕跡はほとんど残っておらず、その存在を知る人は限られています。

まとめ

長野県道279号槍ヶ岳上高地線は、北アルプスの雄大な自然の中を通る、歴史ある路線でした。現在は道路としての役割を終えましたが、その歴史は、長野県の道路行政の一面を物語るものとして、記憶されるべきでしょう。

関連項目

* 長野県の県道一覧

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