長野県野沢南高等学校

長野県野沢南高等学校

長野県野沢南高等学校（ながのけんのざわみなみこうとうがっこう）は、長野県佐久市に位置する歴史ある公立高等学校です。1911年に旧制女学校として産声を上げ、幾多の変遷を経て現在の形となりました。地域に根ざした教育を展開し、多くの卒業生を社会に送り出しています。

沿革

学校の歴史は、1911年4月10日に長野県町立野沢実科高等女学校として開校したことに始まります。創立から数年後の1918年3月27日には郡に移管され、長野県郡立野沢高等女学校へと改称。さらに1920年4月13日には長野県南佐久高等女学校と名を改めています。1922年4月1日には県立移管が実現し、1925年4月1日には長野県野沢高等女学校として教育活動を続けました。戦後の学制改革に伴い、1948年4月1日に現在の長野県野沢南高等学校となり、新たな歩みを開始。1951年4月1日には定時制課程が併設され、多様な学びの機会を提供してきました。校舎の移転は1972年に行われ、より現代的な教育環境へと移行。1975年4月1日には男女共学が導入され、学校の性格が大きく変わりました。生徒の自主性を尊重する姿勢から、2003年4月1日には制服が廃止されています。創立100周年を迎えた2011年には、全日制課程100周年、定時制課程60周年を記念する式典が盛大に執り行われ、長い歴史を振り返りました。

教育目標

野沢南高等学校では、以下の教育目標を掲げ、生徒一人ひとりの全人的な成長を目指しています。

民主的な社会の一員として、正しい判断力と高い道徳心を持つ人材を育成すること。
豊かな教養を深め、それぞれの個性を最大限に伸ばすことを支援すること。
社会生活に必要な知識や技能を磨き、心身の健康を増進することで、力強く生き抜く生活力を高めること。
生徒が自身の適性を見極め、将来の職業や進路を主体的に決定できるよう導くこと。

これらの目標に基づき、生徒が将来社会で活躍できる基礎を築くための教育が行われています。

学校の特色

学校行事の中でも特に親しまれているのが、文化祭の「鈴蘭祭」です。この名称は、学校のシンボルである校章に由来しています。校章は、三角形状の台座の上に鈴蘭の花が円形にデザインされ、中央に「高」の文字が配された特徴的なものです。鈴蘭の花言葉には「幸福が再び訪れる」「純粋」などがあり、生徒たちの未来への希望や清らかな心を象徴しているかのようです。また、学校には作詞：井出孫六、作曲：平井康三郎による校歌があり、生徒たちの誇りや絆を育む歌として歌い継がれています。

再編統合計画

過去には2007年度に多部制・単位制高校への転換が計画された時期もありましたが、この計画は最終的に凍結されました。しかし、近年の少子高齢化に伴う長野県の県立高等学校再編計画の一環として、2020年3月24日には長野県野沢北高等学校との再編統合が決定しました。これにより、2029年4月をもって100年以上の歴史を持つ野沢南高等学校は、新たな学校の一部としてその歴史を刻むことになります。この統合は、県全体の教育資源の最適化と、将来を見据えた高校教育のあり方を検討する中で決定されたものです。

アクセス

最寄りの駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）小海線の中込駅です。

著名な出身者

野沢南高等学校は、各界に多くの有為な人材を輩出しています。

白井 光子（メゾ・ソプラノ歌手）
柳沢 京子（切り絵作家）
入船亭 扇好（落語家）
上原 作和（国文学者、明星大学教授）
白井 悠介（声優）
小池 芳子（ソプラノ歌手）
* 小宮山 ひで（田中清玄の妻、元日本共産党活動家、小宮山新一の妹）

旧制女学校時代から続く長い歴史の中で、野沢南高等学校は地域社会と共に歩み、多くの卒業生を育んできました。2029年の再編統合に向けて、その伝統と精神は引き継がれていくことでしょう。

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