長野計器

長野計器株式会社

長野計器株式会社は、「ながのけいき」と読まれ、主に精密な測定機器、中でも圧力計や圧力センサをはじめとする各種センサの開発、製造、販売を手がける日本の主要企業です。本社機能は東京都大田区に置かれています。

概要

同社は、産業界における様々な計測ニーズに応えるべく、高精度かつ高品質な製品を提供しています。長年にわたり培ってきた圧力計測技術は特に高く評価されており、一般的な産業用途から、高度な安全性が求められる分野まで幅広く応用されています。例えば、近年開発が進む燃料電池自動車（FCV）の普及に不可欠な水素ステーションにおいても、同社が製造する高性能な圧力計や圧力センサが重要な役割を担っています。主要な製品ラインナップには、圧力計、圧力センサ、圧力スイッチのほか、温度計や流量計なども含まれており、計測機器の総合メーカーとしての顔も持ち合わせています。

沿革

長野計器株式会社の歴史は古く、明治時代にその源流を発します。

1896年（明治29年）5月: 和田嘉衛氏が、現在の東京都文京区小石川にあたる場所で「和田計器製作所」として創業しました。これが同社のルーツとなります。
1902年（明治35年）4月: 事業の拡大に伴い、「合名会社東京計器製作所」を設立。
1917年（大正6年）5月: 組織変更を行い、「株式会社東京計器製作所」として法人化しました。
1930年（昭和5年）7月: 事業活動の中心を東京に移し、本社を現在の東京都大田区蒲田に設置しました。
1948年（昭和23年）12月: 第二次世界大戦後の経済情勢と企業再建の必要性から、企業再建整備法に基づき、これまでの組織は「株式会社東京計器製造所」と「株式会社長野計器製作所」に分割されることになりました。この分離と同時に、戦時下の企業疎開という背景もあり、長野計器製作所は長野県小諸市に新たな事業所を設立しました。
1951年（昭和26年）10月: 長野県内での拠点を移し、上田市に本社機能を移転しました。
1976年（昭和51年）6月: 本社機能を再び東京へ集約することとなり、現在の本社所在地である東京都大田区に本社を移転しました。以降、この地を拠点として事業を展開しています。
1998年（平成10年）12月: 株式を日本証券業協会の店頭市場（現在のJASDAQ）に公開し、経営の透明性を高めるとともに、資金調達の多様化を図りました。
2005年（平成17年）2月: 東京証券取引所の市場第二部に上場を果たしました。
2006年（平成18年）5月: 米国を拠点とする圧力計メーカーであるAshcroft Inc.を子会社とすることで、グローバル市場における事業基盤を強化しました。
2007年（平成19年）4月: 東京証券取引所の市場第一部に指定替えとなり、主要銘柄の一つとして認知されることとなりました。
2008年（平成20年）4月: 工作機械向けシリンダなどを製造する株式会社ニューエラーを子会社化し、事業領域の拡充を進めました。
2011年（平成23年）7月: 同業あるいは関連分野の大手企業である東京計器株式会社、株式会社チノー、株式会社オーバルとの間で業務提携契約を締結し、技術開発や販売面での連携体制を構築しました。
2013年（平成25年）1月: 米国の自動車産業を代表する企業の一つであるゼネラルモーターズ（GM）との間で、圧力センサの供給に関する長期契約を締結しました。
* 2019年（平成31年）1月: 精密金型製造などを事業とする有限会社中村金型製作所を子会社に加えました。

関連事項

長野県上田市には、かつて同社の工場があった場所に近い丸窓電車資料館があり、そこに保存されている上田交通の「モハ5250形電車」（5253号）は、同社の歴史の一端を示すものとして関連付けられることがあります。また、同社の設立経緯から、かつて同一組織であった東京計器株式会社や、関わりのあった人物として牧野昇氏などが挙げられます。

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