門倉貴史

門倉 貴史（かどくら たかし）

日本のエコノミスト、経済評論家として知られる門倉貴史氏は、1971年10月30日に神奈川県で誕生しました。慶應義塾大学経済学部経済学科を卒業し、神谷伝造ゼミで研鑽を積みました。

大学を卒業後、浜銀総合研究所に入社。その後、1999年には日本経済研究センター、2000年にはシンガポールにある東南アジア研究所（ISEAS）に出向するなど、国内外の機関で経済研究に携わりました。2005年6月まで第一生命経済研究所で主任エコノミストを務め、その専門性を高めていきました。

2005年7月からはBRICs経済研究所の代表として活動しています。また、2007年から2017年にかけては同志社大学大学院で非常勤講師を務め、後進の指導にもあたりました。

門倉氏の功績の一つとして、著書『日本人が知らなかったVISTA株』（翔泳社）の中で、「VISTA」という造語を提唱したことが挙げられます。これは、ブラジル、ロシア、インド、中国といったBRICs経済に続き、今後の経済発展が期待されるベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの5カ国を総称する概念として打ち出されました。

また、門倉氏は日本において「地下経済」の研究に先駆的に取り組み、その分野の第一人者として認識されています。脱税、賄賂、売春、麻薬など、公式な統計には表れにくい経済活動の実態や規模に関する研究を深め、多数の著作を発表しています。代表的なものとして、『日本「地下経済」白書』、『日本の地下経済』、『日本アングラマネーの全貌』などがあり、これらの著作は地下経済という隠れた領域に光を当てました。

さらに、経済格差や貧困問題にも焦点を当て、「ワーキングプア」と呼ばれる、働いても十分な収入が得られない人々に関する問題の啓発にも力を入れています。このテーマに関する著作も多く、社会が直面する課題に対する問題提起を行っています。

アカデミックな研究に加え、門倉氏はメディアでの活動も活発です。特に、2009年12月から出演しているフジテレビのバラエティ番組『ホンマでっか!?TV』では、経済評論家としてレギュラー出演し、司会の明石家さんま氏らとのユーモラスなやり取りの中で、いわゆる「いじられキャラ」として親しまれ、その知名度を全国的なものとしました。

テレビ番組への出演は多岐にわたり、『BSフジLIVE プライムニュース』、『チャージ730!』、『じっくり聞いタロウ〜スター近況（秘）報告〜』、『そこまで言って委員会NP』、『上沼・高田のクギズケ!』、『ビートたけしのTVタックル』など、情報番組からバラエティ、報道番組までジャンルを問わず出演しています。ラジオ番組でもコメンテーターを務めるなど、メディアを通じて経済の専門知識を分かりやすく伝える活動を続けています。

講演活動も盛んで、2019年1月には講演会講師派遣サイト「Speakers.jp」が主催する【Speakers Awards 2019】の「政治・経済部門」で大賞を受賞しており、そのプレゼンテーション能力も高く評価されています。

門倉氏の主な学術論文には、『日本の地下経済の規模に関する時系列分析と都道府県比較』（日本経済研究）、『ASEAN5カ国における対内直接投資の利用と経済成長』（JCER paper）などがあります。

著作リストは膨大で、前述の地下経済やVISTA、ワーキングプアに関するもの以外にも、新興国経済、投資、マネーロンダリング、さらには性風俗産業といった特定の分野の経済分析から、統計の見方、働くこと、お金に関する啓発書まで、多岐にわたります。主な著書の一部を以下に挙げます。

『日本「地下経済」白書』（祥伝社）
『日本の地下経済 脱税・賄賂・売春・麻薬』（講談社+α新書）
『図説BRICs経済』（日本経済新聞社）
『ワーキングプア——働いても報われない時代がくる』（宝島社新書）
『統計数字を疑う——なぜ実感とズレるのか？』（光文社新書）
『日本人が知らなかったVISTA株』（翔泳社）
『世界の「下半身」経済が儲かる理由』（アスペクト）
『貧困ビジネス』（幻冬舎新書）
『中国経済の正体』（講談社現代新書）
『不倫経済学』（ベスト新書）
* 『日本の「地下経済」最新白書』（SB新書）

共著も数多く、ニッポン食クライシス取材班や宮崎学氏らとの共著で、貧困や社会問題をテーマにした書籍も出版しています。

専門家としての深い知見と、メディアでのユニークなキャラクターを併せ持つ門倉貴史氏は、経済という一見難解なテーマを、多くの人々にとって身近で分かりやすいものにする役割を担っています。多方面での活動を通じて、日本の経済社会に貢献している人物と言えるでしょう。

（注：本記述は提供された情報に基づき作成しています。）

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