門田照子

門田 照子（かどた てるこ）

日本の詩人。1935年4月9日に福岡市で生まれ、2022年1月1日に同市で没した。

人物と詩業

福岡の地に根差した詩人として知られる。福岡県立修猷館高等学校を卒業後、詩作の道を歩み始めた。その長い詩業を通じて、多岐にわたるテーマを探求し、独自の感性で言葉を紡ぎ出した。

門田照子の詩は、国内外で高い評価を受けている。特に、主要な詩集で数々の権威ある文学賞を受賞していることが、その詩業の重要性を示している。

1997年、詩集『抱擁』により福岡県詩人賞を受賞。
2004年、詩集『桜桃と夕日』が現代詩・平和賞に輝いた。
2015年には、詩集『ロスタイム』で福岡市文学賞を受賞。

これらの受賞は、彼女の詩が持つ普遍的なテーマと、時代や地域を超えて読者の心に響く表現力が高く評価された結果と言える。また、2018年には福岡県詩人会より第三十三回先達詩人顕彰を受け、長年にわたる詩壇への貢献が称えられた。

彼女は詩誌「東京四季」や「花筏」の同人として活動し、他の詩人との交流を深めた。また、詩壇の主要な組織にも積極的に参加し、福岡県詩人会、日本詩人クラブ、日本現代詩人会、日本文藝家協会、福岡県文化連盟の会員であった。さらに、日本現代詩歌文学館の評議員を務めるなど、日本の現代詩の発展と振興にも尽力した。

故郷である福岡への深い愛着も、彼女の作品世界に影響を与えている。特に晩年の詩集には、福岡の方言を用いた作品もあり、地域の言葉に宿る情感や響きを詩に取り込む試みを行った。

主な著作

門田照子は生涯にわたり精力的に創作と発表を続け、多数の詩集、エッセイ集、そして監修した作品を残している。以下にその主な著作を示す。

『巡礼 門田照子詩集』梓書院、1979年11月 - 第十回福岡市文学賞奨励賞を受賞した作品。2001年には朗読CD化もされた。
『巡礼 門田照子詩集 縮刷版』1981年9月
『アレルギー前線 詩集』（野火叢書 179) 花神社、1989年5月
『満酌 門田照子詩集』本多企画、1992年10月
『過去からの返信 門田照子詩集』本多企画、1995年4月
『抱擁 詩集』書肆青樹社、1996年11月 - 第三十三回福岡県詩人賞受賞作。
『桜桃と夕日 詩集』書肆青樹社、2004年11月 - 第五回現代詩・平和賞受賞作。
『終わりのない夏 詩集』土曜美術社出版販売、2007年10月
『門田照子詩集』 (新・日本現代詩文庫 58）土曜美術社出版販売、2009年1月
『ローランサンの橋 門田照子エッセイ集』コールサック社、2012年6月
『ロスタイム 詩集』土曜美術社出版販売、2014年10月 - 第四十五回福岡市文学賞受賞作。
『無刻塔 方言詩集』竹林館、2018年11月
『団地広場 詩集』本多企画、2020年11月

没後、その詩業を総括する全詩集が刊行された。

『門田照子全詩集 Kadota Teruko complete edition』土曜美術社出版販売、2022年3月10日

また、児童書の監修も行っている。

『てんとう虫のブンブ』門田徳治 作・絵、門田照子 監修、清風堂書店出版部、2008年5月

晩年

2022年1月1日、長年詩作に情熱を注いだ福岡市内の病院で逝去した。享年86。その詩業は、今後も多くの読者に読み継がれ、日本の現代詩における重要な足跡として記憶されるであろう。

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