門真フィルムコミッション

特定非営利活動法人 門真フィルムコミッション

特定非営利活動法人 門真フィルムコミッション（Kadoma Film Commission Osaka Japan）は、大阪府門真市に根差した特定非営利活動法人です。映像の力を活用し、地域社会の活性化、国内外との文化交流の促進、そして未来を担う映像関連人材の育成を目指しています。互いの文化を尊重し合える社会の実現や、映像を通じた魅力あふれるまちづくりへの寄与を活動の柱としています。

この法人は、門真国際映画祭の企画・運営を中核事業としています。組織としては、本体に加え、ニューヨーク支部や門真国際映画祭運営事務局を含む六つの下部機関で構成されており、その活動は地域内外のNPO法人、学生ボランティア、さらには公益社団法人や一般の映画ファンといった多岐にわたる外部団体の協力によって支えられています。

活動は2016年1月、ロケ撮影支援を行う団体として始まりました。当初は地域振興を目的としたオリジナル映画の制作や、市民向けの映画制作ワークショップを展開。愛媛県今治市で「関前諸島岡村島映画祭」を立ち上げた後、2018年には独自の国際映画祭である「門真国際映画祭」を開幕させました。民間組織が国際映画祭を一から創設することは世界でも珍しい取り組みであり、この功績に対して、2018年にはインドネシアのバリ日本文化交流協会から文化栄誉賞が贈られ、理事長個人も文化功労章を受章しています。さらに、2019年には政府後援の民間表彰制度「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」において、日本の代表的な地域振興事業として政策奨励賞を受賞するなど、その取り組みは高く評価されています。

門真フィルムコミッション自身の映像制作活動も特筆すべき点です。地域振興をテーマに制作された短編映画『歩と抹茶パフェ』が兵庫県の神戸元町ショートフィルムフェスティバルに入選したのを皮切りに、『菜』が大阪府のやお80映画祭、『クローゼットの赤』が鳥取県の米子映画事変でそれぞれ入選するなど、全国規模の公募で実績を上げています。また、2020年には奈良の東大寺で1300年ぶりに行われた夜間法要の記録撮影を担当し、監修のもと1時間の映像作品を制作するなど、多様なスキルを持つメンバーが活動を支えています。

基幹事業である門真国際映画祭は着実に規模を拡大しています。観客動員数は年々増加し、特に新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった2020年においても、前年の2倍以上となる観客数を記録しました。この年、多くの映画祭が中止や延期、無観客開催を余儀なくされる中で、門真国際映画祭は北京国際映画祭と共に、観客を入れての通常開催を実現した数少ない国際映画祭の一つです。これは、感染症対策専門組織の設置、独自のE-ラーニング研修や実務研修の開発、早期の感染症追跡システム導入といった徹底した対策 efforts の賜物でした。この年、門真国際映画祭は内閣府の後援名義承認を得て、政府後援の民間表彰制度としての地位を確立しています。さらに、感染症対策の一環として自社開発したWEB会場をオンライン上に開設し、物理的な開催期間以外もアクセス可能な「常に開催している映画祭」という新しい形も実現しました。

地域との連携も深めており、2020年11月には、公民連携による新しいまちづくりをコンセプトとした門真市駅周辺エリアリノベーション社会実験「FAct Eat Kadoma」の実行委員会に参画。さらに、2021年には全42席の野外映画館「門真市駅高架下シアター」を創業しました。高架下の環境音対策として、ミニFM局を開設し、独自開発した受信システムで音声を提供するなど、ユニークな試みも行っています。この活動はメディアの注目も集め、大きな賑わい創出に貢献しています。

多岐にわたる社会貢献活動も展開しています。子供たちの映画鑑賞機会を支援する「こども映画基金」の運営、捨て猫に新たな居場所と可能性を与える「すて猫スタープロジェクト」、被災地への「映画による心の復興支援」、そして子どもたちへの無償キャリア教育「門真バイタリティ教室」など、映像の力を活用して様々な社会課題に取り組んでいます。

これらの活動を通じて、門真フィルムコミッションは、地域における映像文化の振興に留まらず、社会全体の活性化と発展に貢献する、意欲的かつ多角的な団体として、その存在感を高めています。

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