開拓者たち

ドラマ『開拓者たち』



『開拓者たち』は、2012年1月にNHK BSプレミアムで放送され、同年4月にはNHK総合テレビジョンで再放送された日中国交正常化40周年を記念したドキュメンタリードラマです。主演には満島ひかりが起用され、彼女の演じるキャラクターを通じて、戦前から戦後にかけての開拓移民の事績と苦難が描かれています。

あらすじ



物語は、第二次世界大戦前の満州に渡った日本の女性、阿部ハツの視点から進行します。彼女は満蒙開拓移民として千振地区に移住し、「千振開拓団」の一員として新たな土地を開墾していきます。開拓は決して容易ではなく、ソ連軍の侵攻や収容所での抑留といった過酷な体験を余儀なくされます。このような困難を乗り越えながらも、ハツは再び日本国内の栃木県那須町において「千振開拓地」を設立することになります。この物語は実際の開拓移民たちの歴史を基にしており、個々の人物の成長や絆が深く描かれています。

登場人物



貧しい家庭からの嫁入りで、開拓者の妻として成長していく女性。

  • - 阿部史郎(石田卓也)
ハツの末弟として、姉の助けを受けて成長。

開拓民を守る関東軍に志願するが、戦後にその行動が裁かれることとなる。

看護婦として働き、共産党軍に留用される運命を辿る。

無口で冷淡に見えるが、ハツに愛情を示す。

戦後の苦難を経て帰国するも、過去の事情から苦渋を味わう。

逃避行の果てに苦しい決断を強いられる。

シベリア抑留中に絵を描き生き延びるが、自身の過去に悩まされる。

開拓地に呼ばれた際の葛藤を抱える。

開拓地を守るために戦う先輩開拓者。

このように、登場人物たちはそれぞれの背景や運命を持ちつつ、開拓に挑戦する姿が描かれていきます。彼らは時に助け合い、時に葛藤を抱えながらも、開拓という苦難の道を進んでいきます。

音楽と制作



主題歌は竹内まりやによる「いのちの歌」で、劇中に感動を与える要素として機能しています。制作は、NHKエンタープライズテレビマンユニオンなど、多くのプロデューサーとスタッフの手により丁寧に仕上げられています。

受賞歴



このドラマは、第54回毎日芸術賞や第29回ATP賞総務大臣賞を受賞するなど、高い評価を得ています。感動的なストーリーとともに、開拓移民たちの実際の苦難と彼らの精神を後世に伝える重要な作品とされています。

この作品は、日本と中国の関係や、戦争の記憶、移民の歴史について考えさせられる貴重な内容となっています。

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