開明学校

開明学校は、1882年（明治15年）に愛媛県西予市宇和町（旧東宇和郡宇和町）に建てられた、四国で最も古い小学校です。この建物は、宇和文化の里（宇和町卯之町）に位置し、重要伝統的建造物群保存地区の一部として、その歴史的な価値を今に伝えています。

歴史

開明学校の起源は、1869年（明治2年）に遡ります。当時、左氏珠山の門下生や地元の有志によって設立された私塾・申義堂が、その前身となりました。1872年（明治5年）には、申義堂の校舎をそのまま利用して開明学校が開校しました。その後、1882年（明治15年）には、現在も残る校舎が完成しました。

開明学校は、その歴史の中で、校名や用途を何度か変更しました。そして、1976年からは教育資料館として、戦前の教科書や学校経営に関する資料など、約6000点もの貴重な資料を展示しています。これらの資料は、当時の教育の様子を伝える貴重な手がかりとなっています。

建築

旧開明学校の校舎は、木造2階建てで、桟瓦葺きの屋根が特徴です。外観は、窓枠をアーチ状にするなど、わずかに洋風の意匠を取り入れた擬洋風建築です。地元の大工によって建てられたこの建物は、建築史上、教育史上においても非常に価値が高いとされています。また、屋根裏から発見された「開明学校新築始末書」という銘札によって、建築の時期や背景が明確にされています。

文化財としての価値

開明学校は、その歴史的、建築的な価値から高く評価され、1997年5月には国の重要文化財に指定されました。この指定は、開明学校が日本の近代教育史における重要な遺産であることを示しています。

周辺情報

開明学校が位置する宇和町卯之町は、重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、周辺には、先哲記念館、民具館、米博物館などの文化施設があります。これらの施設とともに、宇和町の歴史と文化を訪れる人々に伝えています。

関連施設

開明学校は、旧開智学校（長野県松本市にある、明治時代初期の校舎を利用した教育博物館）と姉妹館提携を結んでいます。この提携は、両校が日本の教育史における重要な役割を果たしてきたことを象徴しています。

開明学校は、その歴史と建築の美しさから、多くの人々を魅了し続けています。教育資料館としての役割に加え、地域文化の拠点としても重要な存在となっています。

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