開運 (後晋)

開運（かいうん）は、中国五代時代の後晋において、石重貴（せき ちょうき）の治世で使用された元号です。具体的には、944年7月から946年12月までの期間に使用されました。

後晋は、五代における第三番目の王朝であり、その短い歴史の中で、政治的な混乱や周辺民族との対立が絶えませんでした。石重貴は、その混乱期の後晋を統治した皇帝の一人です。

開運という元号が使用された期間は、後晋の衰退がより顕著になった時期と重なります。国内では政治的な不安定さが増し、対外的には契丹（遼）との関係が悪化しました。特に、契丹との戦いは後晋の国力を大きく消耗させ、最終的には後晋滅亡の大きな要因となりました。

946年、契丹軍が後晋の首都である開封を占領し、後晋は滅亡しました。その後、劉知遠（りゅう ちえん）が後漢を建国し、新たな時代が始まります。劉知遠は、後漢の建国にあたり、一旦廃止されていた天福（てんぷく）という元号を復活させました。これは、後晋の正統な後継者であることを示す意図があったと考えられます。

開運という元号は、後晋の短い歴史を象徴するものであり、五代という激動の時代における王朝の盛衰を物語るものと言えるでしょう。


参考文献
『旧五代史』巻83 晋書9 少帝本紀3

関連事項
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