間村俊一

間村俊一（まむら しゅんいち）は、1954年に兵庫県で生まれた、日本の装丁家であり、俳人としても知られる人物です。

同志社大学文学部英文科を卒業後、大学在学中には、塚本靑史らとともに同人誌『ゐまあごを』の活動に参加していました。1982年頃から装丁家としてのキャリアをスタートさせ、1998年には画集『ジョバンニ』を洋々社から刊行しています。

間村氏は、福島泰樹が主宰する歌誌『月光』の会員であると同時に、そのブックデザインも担当しています。歌集や句集などの文芸書の装幀を数多く手がけており、その代表的な仕事には、『新校本 宮沢賢治全集』（筑摩書房）、『新編 中原中也全集』（角川書店）、『江戸川乱歩全集』（光文社文庫）、『ちくま新書』、『塚本邦雄全集』（ゆまに書房）などが挙げられます。これらの装幀は、文学作品の本質を捉えつつ、読者の想像力をかき立てる美しいデザインで高く評価されています。

俳人としての間村氏は、2015年に句集『拔辨天』で第8回日本一行詩大賞を受賞しています。この受賞は、彼の俳人としての才能を広く知らしめる出来事となりました。彼の俳句は、日常の風景や感情を繊細に捉え、独特の視点から表現している点が特徴です。

主な著書

『ジョバンニ 間村俊一画集』（1998年、洋々社）
句集『鶴の鬱』（2007年、角川書店）
句集『拔辨天』（2014年、角川学芸出版）

間村俊一は、装丁家として、また俳人として、日本の文学や文化に多大な貢献をしている人物です。彼の作品は、書籍の装幀という枠を超え、芸術作品としての価値も認められています。文芸作品への深い理解と卓越したデザインセンスによって、多くの読者に愛され続けていると言えるでしょう。

参考文献

「間村俊一さん 装丁の話」『日本古書通信』、日本古書通信社、2008年9月。
神戸新聞社 編『兵庫人 輝く』神戸新聞総合出版センター、2013年。
「間村俊一さんの俳句的日常」『NHK 俳句』、NHK出版、2014年9月。

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