福島泰樹とは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

福島泰樹：僧侶、歌人、朗読家、そして社会運動家

福島泰樹（ふくしまやすき）は、1943年生まれの日本の僧侶であり、同時に歌人、朗読家、ナレーターとしても知られる多才な人物です。東京都台東区下谷にある法華宗本門流法昌寺の住職を務める傍ら、早稲田大学や日本大学で非常勤講師として教鞭を執っています。

早稲田大学での青春と短歌との出会い

早稲田大学文学部哲学科を卒業した福島は、在学中に早稲田大学短歌会に入会し、三枝昂之や伊藤一彦といった歌人たちと親交を深めました。また、安保闘争をはじめとする学生運動にも積極的に関わり、社会に対する強い関心を抱いていました。

短歌の世界での頭角

1969年には第一歌集『バリケード・一九六六年二月』を刊行し、安保闘争世代の熱気を表現したことで注目を集めました。さらに、同人誌『反措定』を主宰し、「反措定叢書」を刊行するなど、文学活動にも力を注ぎました。この叢書からは、三枝昂之の『やさしき志士達の世界へ』や伊藤一彦の『瞑鳥記』など、現代短歌を代表する作品が生まれました。

「短歌絶叫コンサート」とパフォーマンス活動

1976年からは、シンガーソングライターの佐藤龍一とともに、歌謡の復権を目指した「短歌絶叫コンサート」を全国各地で開催。感情を込めた力強い声色を多用する独特の朗読スタイルは、多くの観客を魅了しました。吉祥寺のライブハウス「曼荼羅」での月例ライブをはじめ、海外公演を含め1700ステージ以上をこなすなど、精力的な活動を展開しました。バンドメンバーには石塚俊明、菊地雅志、永畑雅人などが名を連ね、ロックバンド・筋肉少女帯のアルバムにも朗読で参加するなど、ジャンルを超えた活動も行っています。

「月光の会」と文芸誌『月光』

1987年には「月光の会」を主宰し、季刊文芸誌『月光』を創刊。坪野哲久、中井英夫、塚本邦雄、菱川善夫、木村三山など、多彩な作家を特集しました。同会には松野志保など、多くの歌人が所属しています。また、早稲田文学新人賞の選考委員を長く務め、作家の立松和平とは長年の親友であり、彼の葬儀では導師を務めました。

仏教とボクシングへの情熱

仏教関係の著書も多数執筆している一方で、セコンドの資格を持つほどのボクシングファンでもあり、ボクシングに関する著書も刊行しています。元プロボクサーで芸人だったたこ八郎とも親交があり、たこ八郎の没後には、由利徹、赤塚不二夫、山本晋也、外波山文明らの呼びかけで、法昌寺境内に「たこ地蔵」が建立されました。地蔵には、たこ八郎の直筆による「めいわくかけてありがとう」の言葉や「眼病平癒祈願」の文字が刻まれています。

社会活動と「呪殺祈祷僧団四十七士」

2015年には、脱原発や安保法制反対の立場から、僧侶・劇作家の上杉清文らと共に「呪殺祈祷僧団四十七士（JKS47）」を結成。経済産業省前で月例祈祷会を開催し、導師を務めるなど、社会活動にも積極的に関わっています。また、同団体の公式ブログ内で「月光庵日録」を発表しています。

柳澤山妙蓮寺との縁

1970年から1977年まで、福島は静岡県沼津市柳沢の法華宗寺院・柳澤山妙蓮寺の住職を務めました。当時無住だったこの寺を再興し、村人たちに歓迎されましたが、次第に上京することが多くなり、1977年に東京・下谷の法昌寺を再興するために離村しました。この時期に編まれた歌集には、『エチカ・一九六九年以降』、『晩秋挽歌』、『転調哀傷歌』などがあります。

受賞歴と数々の著作

福島は、1986年にブルガリア国際作家会議コンクール詩人賞、1995年にラジオドラマ『紫陽花の家』で放送文化基金脚本賞、1999年に歌集『茫漠山日誌』で若山牧水賞、2023年には日本歌人クラブ大賞を受賞するなど、数々の賞に輝いています。歌集、評論、随筆、小説、レコード・CDなど、幅広いジャンルで多くの作品を発表しています。

多岐にわたる活動と影響力

福島泰樹は、その多岐にわたる活動を通して、現代社会に生きる人々に多大な影響を与え続けています。彼の作品や活動は、文学、音楽、仏教、社会運動など、さまざまな分野にまたがり、多くの人々を魅了しています。

主な著作

- 歌集: 『バリケード・一九六六年二月』、『エチカ・一九六九年以降』、『晩秋挽歌』、『転調哀傷歌』、『茫漠山日誌』、『百四十字、老いらくの歌』など多数。
- 評論・随筆: 『抒情の光芒』、『払暁の雪』、『辰吉丈一郎へ／三〇万燭光の興奮』、『誰も語らなかった中原中也』、『寺山修司死と生の履歴書』など多数。
- 小説: 『上野坂下あさくさ草紙』
- レコード・CD: 『曇天』、『中原中也』、『革命』など多数。

その他

- NHK教育テレビ『知るを楽しむ・私のこだわり人物伝』、『NHK短歌』、『こころの時代』など、テレビ番組にも多数出演。
- 『反措定叢書』、『月光叢書』など、編著も多数。
- 多くの連載を執筆。

福島泰樹の公式サイトや関連サイトへのリンクは以下にあります。

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