間瀬延幸

間瀬延幸氏は、昭和から平成初期にかけて、日本の都市計画と造園の分野で重要な役割を果たした人物です。1936年1月25日に愛知県で生を受け、1991年11月11日に生涯を終えました。彼のキャリアは、公共部門を中心に展開され、都市の発展と緑豊かな環境づくりに多大な貢献をしました。また、日本都市計画学会の常務理事も務めるなど、学会活動を通じてもその専門知識を発揮しました。

学業においては、東京大学農学部農学科にて学び、1958年に卒業しました。卒業後、故郷である愛知県の土木部計画課に配属され、地方行政の現場でキャリアをスタートさせました。ここで計画に関する実務経験を積んだことは、その後の幅広い活動の基礎となったと考えられます。

1966年6月には中央官庁である建設省へと活躍の場を移し、都市局公園緑地課に勤務しました。翌1967年4月には都市局都市計画課へと異動し、国のレベルでの都市計画行政に関わるようになりました。建設省在籍中には、一度茨城県土木部計画第二課への出向も経験しており（1968年5月）、地方での計画策定にも携わりました。

その後、工業再配置公団にて工業再配置第一部の事業課長を務めるなど（1972年10月）、国土の均衡ある発展を目指す事業にも関与しました。1975年4月には再び建設省に戻り、都市局都市計画課の建設専門官として重要な役職に就きました。さらに1976年7月からは徳島県土木部計画課長として地方自治体へ出向し、地域の都市計画を推進する立場を経験しました。1978年8月に建設省に戻った際には、都市局公園緑地課の都市緑地対策室長に就任。この役職は、都市における緑地の保全や創出といった、造園家としての知見が特に活かされる分野でした。

1979年11月からは宅地開発公団に移り参事として、1981年10月からは住宅・都市整備公団にて公園緑地部長を務めました。これらの公団では、大規模な宅地開発や都市開発に伴う公園・緑地整備の計画・実施を統括する責任者として、実践的な事業推進に貢献しました。特に住宅・都市整備公団時代には、彼の専門分野である公園緑地に関する事業をリードしました。

1984年5月には神奈川県都市部参事兼都市計画課長として再び地方自治体へ出向。首都圏の一角を占める神奈川県での都市計画行政において指導的な役割を果たしました。そして1987年10月、長年にわたる功績が認められ、住宅・都市整備公団の理事に就任。これは彼のキャリアにおける最高位の一つであり、公団の運営や重要な事業決定に深く関わることとなりました。

間瀬氏の功績は外部からも高く評価されており、1988年には第10回日本公園緑地協会北村賞を受賞しています。これは公園緑地分野における顕著な貢献を称える権威ある賞であり、彼の造園家としての業績を物語っています。また、著書として『新体系土木工学：都市計画 (2) 都市施設』（技報堂出版）を著しており、専門知識の普及にも努めました。これらの活動を通じて、間瀬延幸氏は日本の都市計画と緑地行政の発展に多大な足跡を残しました。

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