間違いだらけの夫選び

『間違いだらけの夫選び』

『間違いだらけの夫選び』は、1985年4月4日から6月27日までフジテレビ系列の「ナショナル木曜劇場」で放送されたテレビドラマであり、全13話が制作されました。この作品は、結婚生活における現実と理想のギャップを描いたストーリー展開が特徴です。

物語の背景は、東京営業所にある「東和通商」というベビー用品輸入販売会社の社宅です。ここでは、所長の飯塚正や主任の村山一也、その他の社員の家族5所帯が暮らしています。村山一也は結婚して6年経ちますが、まだ子供がいません。出張の際に会うことになる佐伯常務の秘書、結城ますみとの浮気を繰り返しています。一方で、妻の恵子は夫の職業に振り回される日々にうんざりしています。

恵子は、飯塚夫人の弥生が提案した料理講習会や仕出し弁当屋の計画に、課長夫人の洋子や係長夫人の民子が取り入ってくる様子を目の当たりにして、夫と妻の序列に疲れを感じています。しかし、物語は思わぬ展開を迎えます。東京営業所が、大阪本社の冷たい仕打ちにより突然閉鎖されてしまいます。これによって一也は退社する羽目に陥り、友人たちと一緒にハウスクリーニング業を立ち上げることになります。そして上京してきたますみが、その会社の代表取締役として追ってきます。さらに、仕出し弁当屋を始めた恵子もハウスクリーニング業と手を組んでビジネスを拡大しようと試みます。

このドラマは、30代の主婦たちが抱える夫との関係の悩みや理想と現実のギャップをユーモラスに描写しています。主人公の夫婦が直面する問題や、浮気相手であるますみとの感情的な摩擦を通じて、多くの人が共感できるようなストーリーが展開されます。また、第3話以降には当時のテレビ番組のタイトルをもじったサブタイトルが付けられており、視聴者の興味を引く工夫が見られました。

さらに、本作は1987年に放送された“姉妹版”『間違いだらけの女磨き』につながる要素もあり、多くの人々に愛され続けています。

キャストには、市毛良枝、三田村邦彦、中井貴恵、中条静夫らが名を連ねており、それぞれが個性的な役柄を演じました。プロデューサーの澤井謙爾をはじめ、脚本は松原敏春が全話を担当し、演出は各話で牛窪正弘、舛田明廣、阿部久が務めました。主題歌として安全地帯の「恋の予感」がフィーチャーされ、ドラマの雰囲気を一層引き立てています。

このように『間違いだらけの夫選び』は、夫婦の関係や家庭内の人間関係に焦点を当てたドラマとして、視聴者に深い印象を与えた作品となっています。

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