関よしみ

関よしみ：恐怖と人間心理を描くホラー漫画家

関よしみは、1957年生まれ、山口県下関市吉見町出身の日本の漫画家です。少女漫画の可愛らしい絵柄とは裏腹に、ホラーやサイコサスペンスといったジャンルで、人間の心の闇や社会の残酷さを鋭く描き出す作風で知られています。特に、日常に潜む恐怖を描いたシチュエーションホラー作品は、「トラウマになったが、もう一度読みたい」と言わしめるほどの強い印象を読者に与え、「シチュエーションホラーの女王」と評されることもあります。

デビューからホラーへの転身

高校時代から漫画に熱中し、執筆活動を開始。卒業後、同じく漫画家である文月今日子のアシスタントを務めながら、漫画の新人賞への投稿を続けました。1980年、『なかよしデラックス』にて「乙女椿の花の下」でデビュー。当初のペンネームはいとうかよこでしたが、1983年に現在の関よしみに改名しています。

初期は恋や友情をテーマにした作品を手がけていましたが、作品制作に行き詰まりを感じていた頃、気分転換に描いたホラー作品が人気を博したことをきっかけに、ホラー漫画家へと転身。当初は過激な描写で恐怖を煽るスタイルでしたが、その後、設定やストーリーで恐怖を演出するスタイルを確立し、読者を魅了し続けています。

作品の特徴：人間の内面に潜む狂気

関よしみ作品の大きな特徴は、「人間こそ一番怖い」というテーマです。極限状態における人間のエゴイズムや、社会に潜む人間の残酷さを描いた作品が多く、ホラーでありながら社会問題やSF的な要素、ブラックユーモアなどが織り交ぜられています。予想を裏切るストーリー展開も魅力で、読者は最後まで飽きることなく、作品の世界に引き込まれます。

絵柄とストーリーのギャップも、関作品ならではの魅力です。少女漫画風の可愛らしい絵柄で描かれる残酷な描写は、読者に大きな衝撃を与え、「読んだ後しばらく食欲が無くなった」「こんなモノが存在する事に腹が立った」といった感想も聞かれるほどです。

多彩な活動と現在

一時、都内で漫画塾の講師なども務めていましたが、2006年に地元の下関市に戻り、現在は同じく漫画家である夫と二人暮らしをしています。漫画制作に行き詰まると、バイクでのツーリング、老人介護の資格取得、漫画講座の講師など、様々な活動を通して気分転換を図っているそうです。

代表作

ガラスの標的
赤い悪魔の子守歌
血色の闇
黒髪のメデューサ
魔少女のおもちゃ箱
飼育病棟
魔少女転生
血を吸う教室
マッドハウス
壊れた狂室
マッドパパ
ウイルスの牙
* オーロラが殺す

関よしみ作品は、可愛らしい絵柄と、人間の心の奥底に潜む狂気を描いたストーリーのギャップが魅力です。一度読んだら忘れられない、強烈な印象を残す作品ばかりなので、ぜひ手に取ってみてください。

もう一度検索