関博之 (復興事務次官)

関博之（せき ひろゆき）氏は、1958年4月10日に長野県松本市で生まれました。

東京教育大学附属駒場高等学校を経て、1981年に東京大学法学部第1類（私法コース）を卒業。同年に自治省に入省し、国家公務員としてのキャリアをスタートさせました。

入省後、行政局選挙部選挙課や大臣官房総務課で勤務したのち、地方行政の現場経験として京都府地方課、財政課で業務に携わりました。1984年からは自治省財政局地方債課に勤務し、地方自治体の財源確保に関わる地方債制度を担当する業務の一端を担います。

その後、他省庁への出向も経験。1986年には名古屋国税局西尾税務署長として税務行政に携わり、1987年には通商産業省基礎産業局総務課で勤務しました。さらに地方自治体への出向は続き、島根県商工振興課長、財政課長を歴任。地方の産業振興や財政基盤強化に尽力しました。

自治省に戻った後は、税務局固定資産税課課長補佐、財政局交付税課課長補佐として、国の税制度や地方交付税制度といった地方財政の根幹に関わる業務を担当。1995年には自治大臣秘書官事務取扱として大臣を補佐し、1996年からは大臣官房総務課理事官、財政局公営企業第一課公営企業経営企画官などを務め、幅広い行政分野で経験を積みました。

1998年には再び地方行政の要職へ。奈良県企画部理事、総務部長を経て、2001年からは奈良県副知事に就任。地方自治体の中枢において、政策の企画立案や運営を指揮する立場として手腕を発揮しました。

中央省庁に戻った後は、総務省で重要な役職を歴任します。2003年には自治財政局財政課財政企画官、大臣官房参事官、内閣官房内閣参事官（内閣総務官室）を兼任。国の財政や内閣の重要事項に関わる業務に従事しました。

2006年からは自治財政局調整課長、大臣官房総務課長、企画課長といった要職を歴任。総務省の中枢部門で、省全体の政策調整や企画立案を推進しました。2011年からは大臣官房審議官として、企画・政策、行政管理局、地方公務員制度など、多岐にわたる重要課題を担当。内閣官房内閣審議官、行政改革実行本部事務局審議官も兼任し、行政改革にも深く関わりました。

2013年には大臣官房地域力創造審議官として、地域の活性化政策を推進。2014年には内閣府政策統括官（沖縄政策担当）に就任し、特定の重要政策分野でリーダーシップを発揮しました。

そして、東日本大震災からの復興という国家的な課題に取り組む復興庁へ。2016年に統括官に就任し、復興事業の推進を指揮しました。2017年7月には、復興庁の最高位である事務次官に昇任。被災地の復興加速化に向け、組織全体を率いる重責を担いました。

2018年7月に復興庁事務次官を退官後、復興庁顧問を務めました。同年12月からは、三井住友信託銀行株式会社の顧問に就任し、官僚として培った知見や経験を活かして活動しています。

関氏は、自治省・総務省を中心に、地方自治、財政、行政改革、そして国家的な課題である復興支援に至るまで、幅広い分野で要職を歴任し、日本の行政に貢献した官僚人生を送りました。

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