関口尚

関口 尚

関口 尚（せきぐち ひさし）は、1972年9月19日に日本の栃木県下都賀郡岩舟町（現在は栃木市の一部）に生まれた小説家です。作家としてのキャリアを歩み始める前に、岩手大学人文社会科学部で学び、さらに茨城大学大学院人文科学研究科で研究を深めました。

作家としての歩み

文学の道を志し、その才能を開花させたのは2002年のことでした。応募作である『プリズムの夏』が第15回小説すばる新人賞に輝き、これを機に小説家としての活動を開始しました。

デビュー後も精力的に執筆を続け、2006年に発表した作品『空をつかむまで』は高い評価を受け、2007年には第22回坪田譲治文学賞を受賞しました。この受賞は、関口尚が児童文学・青春小説といった分野で確固たる地位を築いたことを示すものです。

主な作品

デビュー作である『プリズムの夏』は、2002年に集英社から刊行され、後に文庫化もされました。続いて発表された『あなたの石』（2004年、集英社）は、文庫化に際して『君に舞い降りる白』（2007年、集英社文庫）と改題されています。受賞作『空をつかむまで』は2006年に集英社より刊行され、これも2009年に文庫化されています。

その他にも、多様なテーマの作品を発表しています。

『マジック・アワー』（2006年、全国学校図書館協議会）
『そのままの光』（2006年、光文社）
『シグナル』（2008年、幻冬舎） - 後に文庫化
『パコと魔法の絵本』（2008年、幻冬舎） - 同名の映画原作
『ムーン・ショット』（2008年、メディアファクトリー）
『代打の女神様』（2009年） - アンソロジー『きみに贈るつばさ物語』に収録
『潮風に流れる歌』（2010年、徳間書店）
『ソフトボーイ』（2010年、ポプラ文庫）
『はとの神様』（2011年、集英社） - 後に文庫化
『ナツイロ』（2012年、集英社文庫）
『サニー・シックスティーン・ルール』（2018年、中央公論新社）
『ブックのいた街』（2018年、祥伝社文庫）
『明星に歌え』（2018年、集英社文庫）
『虹の音色が聞こえたら』（2022年、集英社文庫）

これらの作品群からは、青春期の揺れる心情や、日常の中に潜む小さな光を描き出す筆致が見て取れます。

受賞歴

2002年：第15回小説すばる新人賞（対象作品：『プリズムの夏』）
2007年：第22回坪田譲治文学賞（対象作品：『空をつかむまで』）

デビューと受賞を通じて、関口尚は現代文学の一角を担う作家として、多くの読者に支持されています。その作品は、中学校や高校の課題図書に選ばれることもあり、若い世代を中心に広く読まれています。今後もどのような物語世界を私たちに見せてくれるのか、その活動が期待されています。

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