関東学院大学建築・環境学部

概要

関東学院大学に設置されている建築学、環境学、そして建築設備の関連分野を専門的に探求する学部です。単一の建築・環境学科の下に、分野を細分化した五つの多様な専門コースが設けられています。

特色

本学部では、建築物の設計や構造、材料といった基本的な知識に加え、快適で持続可能な居住・都市環境の創造、そして建築を支える設備の役割など、広範なテーマを扱います。具体的には、建築デザイン、まちづくり、すまい、環境共生、そして建築エンジニアリングといった視点から学びを進めることができます。デザイン領域から高度な工学技術までを網羅することで、現代社会の複雑な課題に応えうる、総合的な専門能力を持つ人材の育成を目指しています。

沿革

関東学院大学における建築教育の歴史は古く、大学が旧制専門学校を基盤として開学した1949年に、工学部内に建築学科としてその第一歩を踏み出しました。その後、1963年には建築学科内に専門領域を深める四つのコース制を導入。さらに、1965年には国内の大学としては画期的な取り組みとして、工学部に建築設備工学科が新設されました。これにより、建築分野における設備の重要性への認識が深まりました。大学院においては、1966年に工学研究科に建築学専攻修士課程が、1977年には博士後期課程が増設され、より高度な研究体制が整備されました。

大きな転換期となったのは2013年です。この年、大学の工学部が改組され、理工学部と本学部である建築・環境学部に再編されました。この際、従来の工学部建築学科と建築設備工学科が統合・発展的な改変を経て、現在の建築・環境学部建築・環境学科として新たに発足しました。この再編により、建築と環境、そして設備という、現代の建築を取り巻く不可分な要素を一体的に探求する教育・研究体制が確立されました。

学部組織

建築・環境学部は、以下の五つの専門コースを擁する建築・環境学科のみで構成されています。

建築デザインコース: 建築の意匠、空間構成、美学といったデザインの中核を探求します。
まちづくりデザインコース: 都市や地域の空間、コミュニティ、景観など、より大きなスケールでの環境デザインを学びます。
すまいデザインコース: 人々の最も身近な空間である住居、住宅の設計や居住環境の質的向上に焦点を当てます。
環境共生デザインコース: 自然環境との調和、持続可能性、エコデザインといった観点から建築と環境の関係を追求します。
* 建築エンジニアリングコース: 建築物の安全性や機能性を支える構造、材料、施工技術、そして設備の設計・管理といった工学的な側面に特化します。

これらのコースは、デザイン、構造、材料・施工、そして環境・設備という四つの主要な学術分野に基づいて編成されています。学生は自身の関心や将来の目標に合わせ、これらのコースを通じて専門性を深めていきます。

大学院との連携

学部での学びは、同大学の大学院工学研究科建築学専攻へとスムーズに接続されています。大学院では、建築・都市計画学、建築構造学、建築生産学、建築設備・環境工学といった、学部よりもさらに高度で専門的な四つの専修が設けられています。これらの専修は、設計・計画系、構造・生産系、環境工学・設備工学系という三つの主要な分野をカバーしており、学部で培った知識を基に、先端的な研究活動や高度な専門技術の習得を目指すことができます。大学院への進学を通じて、研究者や特定の分野における高度な専門職業人としてのキャリアパスが開かれます。

関東学院大学建築・環境学部は、その長い歴史の中で培われた実績と、建築、環境、設備を統合的に学ぶ現代的な教育体制をもって、未来の社会に貢献する専門家を育成しています。

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