関東短期大学

関東短期大学：70年の歴史を刻んだ群馬の私立短期大学

1950年、群馬県館林市に開学した関東短期大学は、2020年に閉学しました。70年という歴史の中で、数々の学科の設立と廃止、教育理念の変遷を経験し、地域社会に貢献してきた私立短期大学です。本稿では、関東短期大学の歩み、教育内容、学生生活、そして著名な卒業生など、多角的にその歴史を紐解きます。

建学の精神と教育

関東短期大学は、豊かな人格と温かいコミュニケーション能力を備えた人材育成を建学の精神として掲げていました。開学当初は国文学科、英文学科、被服学科の3学科体制でしたが、時代のニーズに合わせて学科の改編を繰り返しました。特に2000年代以降は学科の廃止が相次ぎ、最終的には保育士養成に特化した「こども学科」1学科となりました。このこども学科では、保育士資格取得に向けた実践的な教育が提供されていました。

沿革：数々の変遷

関東短期大学の起源は、1923年に松平濱子によって設立された財団法人まで遡ります。その後、関東高等女学校を経て、1946年には関東女子専門学校が開設されました。そして、1950年、文部省の認可を受け、関東女子短期大学として開学。当初は国文学科、英文学科、被服学科が設置され、多くの学生を受け入れました。

その後、時代の変化に伴い、学科の増設、改編、廃止が繰り返されました。第二部の設置、太田分校の開設と廃止、学科名の変更、そして入学定員の増減など、変遷は多岐に渡ります。1970年代から1980年代にかけては、時代の要請に応える形で、機械科や電気科といった学科も設置されましたが、その後廃止されています。最終的には、保育士養成に特化したこども学科へと一本化され、2018年度の入学生をもって学生募集を終了。2020年3月31日に閉学しました。

教育・研究と取得資格

関東短期大学では、各学科において、教員免許状や秘書士、情報処理士などの資格取得を支援していました。特に、こども学科では幼稚園教諭二種免許状と保育士資格が取得可能でした。過去には、国文学科や英文学科で中学校教諭二種免許状（国語、英語）、商経科で秘書士や情報処理士などの資格取得ができました。また、全学科共通で図書館司書資格の取得も可能でした。

学生生活：部活動、学園祭、施設

関東短期大学には、活発なクラブ活動が盛んで、体育系、文化系ともに多くのクラブが存在していました。バレーボール部、バドミントン部、テニス部などは特に活躍し、県大会や全国大会での優勝、入賞などの実績を残しています。学園祭は「アザリア祭」として毎年11月頃に開催され、学生たちの活気あふれるイベントでした。キャンパス内には、1号館、2号館、教育研究センター、展示館、学生食堂、学生控室、レクチャーホールなどの施設があり、学生生活を支えていました。

卒業後の進路

卒業生の進路は、学科によって異なっていました。こども学科の卒業生は、幼稚園、保育園、小学校など、児童を対象とした職種に多く就職していました。一方、国文学科や英文学科の卒業生は、一般企業への就職者が多い傾向でした。編入学についても、関東学園大学をはじめ、多くの大学への進学実績がありました。

著名な卒業生

関東短期大学からは、相田みつを氏（詩人、書家）、高草木昭允氏（作詞家）など、著名な卒業生を輩出しました。

結論

関東短期大学は、70年の歴史の中で、時代の変化に対応しながら教育内容や学科構成を柔軟に変え、多くの卒業生を社会に送り出してきました。その歴史は、時代の流れの中で教育機関がどのように変化し、発展していくのかを示す貴重な事例と言えるでしょう。閉学は残念ではありますが、その歴史と貢献は、長く人々の記憶に残るものとなるでしょう。

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