関浩

関浩(1960-2024) ― 将棋棋士の生涯

1960年7月8日、東京都田無市（現西東京市）に生まれた関浩は、1974年、奨励会に入会。11年間の研鑽を経て、1985年3月28日、24歳でプロ棋士となる四段に昇段しました。

関氏のプロ棋士としてのキャリアは、若き才能の台頭と重なります。関氏がプロ入りしてからわずか8ヶ月後、後に将棋界を代表する棋士となる羽生善治氏がデビュー。1986年3月13日、二人は「オールスター勝ち抜き戦」の予選で対戦しました。この対局は、矢倉を巡る激しい攻防となり、関氏が勝利を収めました。これは、羽生氏にとってプロ棋士人生初の黒星となりました。デビューイヤーには20勝を挙げ、将来を嘱望される棋士の一人となりました。

1989年度には22勝15敗、勝率0.595という好成績を記録。その後も棋戦で活躍し、1990年度の第3期竜王戦5組では昇級者決定戦を勝ち抜き、4組に昇級しました。1993年度の第19期棋王戦では予選を勝ち上がり本戦に進出。本戦1回戦でも勝利を収めるなど、タイトル戦への道を着実に歩んでいきます。

順位戦では、初参加から12年目の1996年度、第55期順位戦C級2組で降級点累積3点となり、フリークラスに降級。その後は順位戦復帰を目指しましたが、10年間その条件をクリアできず、2007年に引退しました。

2024年11月11日、64歳で逝去されました。

棋風と人物像

関氏の棋風は、純粋な居飛車党として知られていました。相居飛車を得意とし、矢倉、相掛かり、横歩取り、角換わりなど、主要な戦法を幅広く操る棋力を持っていました。

棋士としての活動以外でも、関氏は新聞や日本将棋連盟の観戦記執筆を多く手がけました。また、読書と音楽鑑賞を趣味とし、ロシア文学のドストエフスキー、トルストイ、チェーホフ、そしてドイツ音楽のバッハ、ブラームスなどを好んでいました。その幅広い教養は、観戦記などを通して垣間見ることができました。

昇段履歴

1974年：奨励会入会（6級）
1985年3月28日：四段（プロ入り）
1992年4月7日：五段
2004年4月1日：六段
2007年3月31日：引退
2019年4月1日：七段（退役棋士昇段規定）

まとめ

関浩氏は、プロ入り後、羽生善治氏との対戦やタイトル戦出場など数々の実績を残しました。純粋な居飛車党として知られた棋風、そしてロシア文学やクラシック音楽を愛した多様な趣味は、彼の魅力の一つでした。将棋界への貢献、そして棋士としての生き様は、多くの人々に記憶されることでしょう。 彼の功績は、将棋界の歴史に刻まれたと言えるでしょう。

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