関西BNCT共同医療センター

関西BNCT共同医療センター：革新的ながん治療の拠点

関西BNCT共同医療センターは、大阪府高槻市に位置する、大阪医科薬科大学の附属施設です。このセンターは、ホウ素中性子捕捉療法（BNCT）という新しいがん治療法の臨床応用、研究開発、そして専門家育成を目的として設立されました。世界で初めて教育研究機関に附属するBNCT臨床施設として、その役割は大きく、がん治療の未来を切り開く重要な拠点となっています。

世界最先端のがん治療、BNCT

BNCTは、がん細胞に集まるホウ素化合物を体内に投与し、その後、中性子線を照射することで、がん細胞を選択的に破壊する治療法です。従来のがん治療法に比べて、正常細胞へのダメージが少ないという大きな利点があります。関西BNCT共同医療センターでは、このBNCT治療を、世界に先駆けて保険診療の範囲内で提供しています。2020年6月には、「切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部癌」に対するBNCT治療が保険適用され、同月には初めての保険診療でのBNCT治療が実施されました。南東北BNCT研究センターと共に、加速器を用いたBNCT治療を保険診療で実施している世界でも数少ない施設の一つです。

センター設立までの道のり

2015年3月、大阪医科大学（現大阪医科薬科大学）は「（仮称）関西BNCT医療研究センター」の設立を発表。その後、関西BNCT医療センター設立準備委員会が設立され、綿密な準備が進められました。約60億円という巨額の施設整備費用は、日本政策投資銀行を中心としたシンジケートローンによって調達されました。三井住友銀行及び池田泉州銀行も融資に参画し、この画期的な医療施設の建設を支えました。

充実の設備と体制

2018年3月に竣工し、同年6月に開院した関西BNCT共同医療センターは、地下1階、地上3階建ての鉄筋コンクリート造の建物です。延べ面積は4,028.85㎡、建築面積は1,331.01㎡、高さは19.11mあります。

主な設備は以下の通りです。

1階：エントランスホール、ホットラボ室、BNCT治療室
2階：情報ラウンジ、PET/CT検査室、PET待機・回復室
* 3階：研修スペース、カンファレンスルーム

特にBNCT治療システムには、住友重機械工業の最先端加速器が導入されており、高い精度と安全性を確保しています。

アクセス

阪急京都本線 高槻市駅よりアクセス可能です。

まとめ

関西BNCT共同医療センターは、最先端のがん治療技術と充実した設備、そして高い専門性を備えた医療機関です。BNCT治療の普及と発展に大きく貢献し、がん患者さんのQOL（生活の質）向上に尽力しています。今後ますますの発展と、更なる治療法の開発に期待がかかります。

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