日本政策投資銀行

日本政策投資銀行（DBJ）について

日本政策投資銀行（にっぽんせいさくとうしぎんこう、英: Development Bank of Japan Inc.、略称: DBJ）は、財務省の監督下にある日本の政策金融機関の一つです。この銀行は、過去に復興金融金庫や日本開発銀行、北海道東北開発公庫などの特殊法人を前身として1999年に設立され、2008年10月に特殊法人から民営化されました。これは、政府の資金供給を民間へとシフトし、経済を活性化するための政策金融改革の一環です。

事業目的と運営方針

DBJの主な目的は、長期的な事業資金の供給を通じて、顧客の事業成長を支えることです。出資と融資の一体的な手法を活用し、様々な金融サービスを提供しています。具体的には、中長期融資や仕組み金融、環境に配慮した認証融資などを行い、事業の発展に寄与しています。特に、危機対応業務が義務化されており、政策性の高いプロジェクトを対象にした投融資を行う体制を整えています。

業務分野

DBJは、以下の3つの主要な業務分野を持っています。

1. 融資部門: 中長期融資やストラクチャードファイナンス、劣後融資など、多様な融資製品を提供しています。
2. 投資部門: リスクマネーの提供を行い、企業の成長を支援しています。具体的には、メザニンファイナンスやエクイティなどがあります。
3. コンサルティング部門: M&Aのアドバイザーや産業調査機能を備えたアドバイザリーサービスを提供しています。

投融資の実績

日本政策投資銀行は、多くの成功したプロジェクトに関与してきました。1998年には中山共同発電株式会社に日本初のプロジェクトファイナンスを提供し、2002年にはダイエーに対して100億円の融資を実行しました。また、知的財産権担保融資の新しい形として、株式会社ペンシルに対する融資を行ったことも注目されています。さらに、近年では株式会社ソシオネクストへの投資や、不動産市場安定化ファンドに対するメザニンローンの提供を行っています。

完全民営化の進行

当初、DBJは2012年から2014年を目標に完全に民営化する予定でしたが、2008年の世界金融危機やその後の東日本大震災により方針が見直されました。これにより、民営化の時期は延長され、現在は政府の支援を受けつつ、効果的な金融サービスを提供する方向に進んでいます。

組織の沿革

DBJは1975年に復興金融金庫が設立され、その後多くの法人が合併や解散を経て、最終的に1999年に日本政策投資銀行として法人化されました。以降、2008年には特殊法人を解散し、新たに特殊会社として再スタートしました。このように、DBJは長い歴史を持ちながら、時代に合わせて変革を遂げてきた組織と言えます。

本銀行は、日本の経済の発展を支える重要な役割を担い、政策金融機関としての特性を強化し続けています。現在も、独自の金融サービスを通じて、企業や地域経済の成長に寄与しています。

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