闇を斬れ

テレビドラマ『闇を斬れ』

『闇を斬れ』は、1981年に関西テレビと松竹が制作した日本の時代劇テレビドラマです。この作品は、江戸時代の「田沼時代」を舞台にし、毎週火曜日の夜10時から放送されました。全26話で構成され、当時の政治の腐敗や不正を背景に、主人公が立ち向かう姿が描かれています。

ストーリーの概要

物語は、奥州白河藩の藩主・松平定信が、田沼意次の不正政治を改革すべく、闇の組織を結成することから始まります。定信は自らの公用人である兼子八郎左衛門に指示を出し、組織の頭目として鳥居庄次郎を選びます。庄次郎は本名を捨て、「鳥飼新次郎」と名乗り、自らの理念に基づいて田沼政権に立ち向かうことになります。

新次郎は、元同心で按摩の安斉、はぐれ忍びの渚、耳の哲三という仲間と共に闇狩りとして知られる行動を開始します。そして、彼らは田沼政権を倒すため、さまざまな危険を冒しながら暗躍していきます。

主な登場キャラクター

• - 鳥飼新次郎（天知茂）: 元白河藩士で、八郎左衛門の命令により「死人」として闇で活動します。表向きはよろず相談屋を装い、黒の着流しに身を包んで行動します。
• - 松平定信（沖雅也）: 江戸幕府の腐敗を憂いた藩主。最終的には新次郎に再仕官を勧めるも、断られる。
• - 田沼意次（三國連太郎）: 腐敗した幕政の中心人物で、新次郎たちに襲撃されます。
• - 渚（坂口良子）: 小唄の師匠であり、元忍び。新次郎と意気投合し、仲間として行動。
• - 耳の哲三（三浦浩一）: 金魚売りの表の顔を持つ忍びで、新次郎たちと共に行動します。
• - 安斉（山城新伍）: 元南町奉行所の同心で、誤って罪を着せられたが、新次郎と共に闇狩りとして戦う。

物語の展開

新次郎たちは、意次を追い詰める中で多くの仲間を失いながらも、彼らの信念に基づく行動を続けます。特に注目すべきは、意次の行動やその家族に対する暴力的な手段です。彼は、非情な手段で自己の地位を維持しようとする一方で、最終回に向けて新次郎たちの復讐が進行します。

特に新次郎は、仲間たちの死に直面しながら、最後には自らも命をもって意次の暗殺を決意します。この物語のクライマックスは、彼が意次に立ち向かう姿と、彼の信念の強さが描かれた瞬間です。

制作背景と影響

『闇を斬れ』は、その当時の腐敗した政治状況に警鐘を鳴らす作品として、多くの視聴者に受け入れられました。様々なキャラクターの背景や、時代に根ざした物語展開が、高い評価を得ています。また、主題歌『アプローズ』は、作品のテーマを強く印象づけ、視聴者に深い感動を与えました。

このドラマは今日においても評価される作品であり、日本の時代劇のひとつとして記憶されています。また、キャストが演じる繊細な人間ドラマや、時に過酷な運命に翻弄される姿は、視聴者に強いメッセージを残しました。

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