闘将スパルタカス

闘将スパルタカス：スパルタクスの血を受け継ぐ者の闘い

1962年、イタリアで製作された映画『闘将スパルタカス』（原題：Il figlio di Spartacus）は、古代ローマを舞台にした壮大な冒険活劇です。スパルタクスという伝説的な剣闘士の名を冠する本作は、彼の息子が主人公として活躍する、痛快なソード＆サンダル映画となっています。監督はセルジオ・コルブッチ。

物語は、紀元前48年、エジプト征服を終えたばかりのユリウス・カエサルから始まります。カエサルは、功績を挙げた部下のランダスに、悪政で知られる総督クラッススの調査を命じます。

ランダスは船でリシアへ向かう途中、嵐に遭遇し、船は座礁。その際に、同乗していた女奴隷サイダが海に投げ出されてしまいます。ランダスは命懸けでサイダを救出しますが、船は彼らを置いて出発してしまいます。

二人は海岸にたどり着きますが、奴隷商人によって捕らえられ、奴隷として売られる身となります。奴隷市場で、ランダスはギューラーという男と出会います。ギューラーは、ランダスが身につけていたペンダントに注目し、その意味を知るのです。

やがてランダスは、奴隷たちの反乱に乗じて脱走。彼は砂漠の中に位置する遺跡へとたどり着きます。その遺跡には、彼の手元にあるペンダントと同じ宝石があしらわれた兜、剣、盾、そして肩当てといった、剣闘士の完全な装備が保管されていました。

遺跡の周囲には、大勢の人々が集まっています。その中にはギューラーの姿も。この遺跡こそ、かつて反乱を起こし、鎮圧されて処刑されたスパルタクスの墓であり、ランダスのペンダントは、彼がスパルタクスの息子である証だったのです。民衆はランダスに、クラッススこそが父の仇であることを告げ、彼に立ち上がってくれるよう懇願します。

その後、謎の覆面剣闘士による奴隷所有者への襲撃事件が頻発。事件現場には必ず「S」の文字が残されていました。ある夜、覆面剣闘士はクラッスの館に侵入しますが、罠にはまり捕らえられてしまいます。その正体は、ランダスでした。「S」の文字は、スパルタクスの頭文字だったのです。

護送中、民衆の助けで脱走したランダスは、ギューラーたちの協力を得て、クラッススとの最終決戦に臨みます。激しい戦闘の末、ランダスはクラッススを倒しますが、そこにカエサル率いるローマ軍が到着。ランダスたちは降伏します。

カエサルはランダスに死刑を宣告しますが、ギューラーや新たな総督らの嘆願を受け、二度と反乱を起こさないという条件で、ランダスの命は救われます。

最後にランダスは、父の墓を訪れ、剣闘士の装備を元の場所に返して静かに去っていくのでした。この物語は、復讐と赦し、そして自由と抑圧といったテーマを、壮大なスケールで描いた作品と言えるでしょう。スティーブ・リーヴス演じるランダスの活躍、そして、ローマ帝国と奴隷たちの戦いを描いた、迫力ある戦闘シーンも見所のひとつです。

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