闘牛士

闘牛士（とうぎゅうし）とは

闘牛士とは、スペインを中心に行われる伝統的な闘牛競技において牛と戦う役割を担う人を指します。闘牛士は「トレーロ」や「マタドール」とも称され、牛と直接対峙することでその技術と勇気を示します。しかし、この職業は極めて危険であり、訓練を積んだ上でも命を落とすことがあるため、十分な覚悟が求められます。

複数の役割と階層

正闘牛士 (Torero matador)

闘牛競技の主役である正闘牛士は、最終的に牛に止めを刺す役割を果たします。この場面は競技のハイライトとなり、観客の注目を集めます。闘牛士は、牛の動きを読み、それに応じた動作を取ることが求められるため、高度な技術と胆力が必要です。

助手 (Banderillero)

助手は、主に牛の動きを引き出す役割を担います。カポーテと呼ばれる特別なケープを用いて、牛を操り、死に至る対決への導入を行います。助手の判断力と技術が、正闘牛士にとっても重要な情報源となります。

槍士 (Picador)

槍士は馬に乗り、牛の肩に槍を突き刺すことで牛を徐々に弱らせ、動きを制限します。これにより牛は競技の終わりに向かう準備が整えられます。

関連用語の解説

• - カポーテ (Capote): 試合中や前半の儀式において使用される特別なケープ。
• - ムレータ (Muleta): 最終的な対決の際に正闘牛士が使用する赤い布です。ムレータを使う際、右手をデレチャソ、左手をナトゥラルと呼びます。
• - バンデリラ (Banderilla): クライマックスの前に牛の体に刺す短い手銛で、通常、3人の助手によって行われます。

闘牛士になるための道

闘牛士はアポテラードと呼ばれる代理人と関わることが求められます。彼らは新人闘牛士の育成やプロモーションを行う役割を果たし、この関係がキャリアのスタートとなります。

有名な闘牛士

• - フランシスコ・ロメーロ: スペインの伝統的な闘牛スタイルを確立した人物。
• - クリスティーナ・サンチェス: 女性闘牛士として国際的に知られ、競技における女性の地位向上に貢献しています。

闘牛士をテーマにした文化

スペインの文化には闘牛士からインスピレーションを受けたものがいくつか存在します。社交ダンスの一つ、パソドブレは闘牛やフラメンコに影響を受けており、一般的には「エスパニア・カーニ」という行進曲に合わせて踊られます。

また、カクテルの一種として「マタドール」という名称の飲み物も存在します。名前の由来は明確ではないものの、闘牛士を意味する言葉が使われています。

闘牛士はその勇敢な立ち振る舞いや技術により、今でも多くの人々に影響を与え続けています。

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