阪堺電気軌道上町線

上町線概要

上町線（うえまちせん）は、阪堺電気軌道の路線で、大阪府大阪市阿倍野区の天王寺駅前停留場から住吉区の住吉停留場までの約4.3キロメートルを結んでいます。この路線は全線が複線で、電化が施されており、直流600Vで運行されています。運行速度も北畠から帝塚山4丁目間は30キロメートル/時と制限されていますが、他の区間では40キロメートル/時に達します。上町線を運営するのは、我孫子道運輸区と住吉公園運輸区です。

停留所と運行形態

この路線には、起終点を含めて10の停留場があります。昼間の運行では、天王寺駅前 - 阪堺線浜寺駅前間、および天王寺駅前 - 阪堺線我孫子道間の系統が交互に12分間隔で運行されており、乗客に便利なアクセスを提供しています。特に、住吉駅から阪堺線への乗り入れが特徴です。過去数回のダイヤ改正を経て、運行形態が変更されることがありました。たとえば、2016年のダイヤ改正では、朝のラッシュ時以外の系統が減少し、住吉公園行きが廃止されました。

歴史

上町線の歴史は、1900年代初頭にさかのぼります。元々は馬車鉄道としてスタートし、旅客の輸送を目的に計画されました。この線の設立際、大阪馬車鉄道が天王寺村から天下茶屋までを開業しました。その後、1902年にはさらに下住吉まで延長されましたが、南海鉄道との競合から赤字経営に悩まされることになり、最終的には電気鉄道への転換を図りました。これにより、1910年に電化が完了し、電車の運行が開始されました。

大阪市の交通方針により、私鉄と市営交通との共存が求められ、上町線は大阪市電への直通運転も行い、その後も市電との契約を通じて運行が続けられましたが、1912年には直通運転が廃止されました。さらに、1921年には路線が市に譲渡され、大阪市電の一部として組み込まれました。その後、1980年には阪堺電気軌道として分離され、2016年には一部区間の廃止が決定しました。

廃止と遺産

特に最近では、2016年に住吉 - 住吉公園間が老朽化の理由で廃止され、その跡地は駐車場として利用されていますが、かつての軌道を示す支柱が残っていることが特徴です。また、軌道と車両は、土木学会より『阪堺電気軌道と関連施設群』として文化財に指定されています。このように、上町線は大阪の歴史において重要な役割を担ってきました。

現在と未来

上町線は現在も活発な運行が行われており、住民や観光客にとって欠かせない交通手段です。今後も地域の交通網として重要な役割を担っていくでしょう。

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