阪急1200系電車

阪急1200系電車の概要

阪急1200系電車は、1956年に京阪神急行電鉄によって導入された電車のシリーズです。この電車は、高性能な1010系や1100系と同様の車体を新たに設計し、主要機器は神寶線の既存車両から流用して製造されました。全ての車両は宝塚線に配置され、当初は既存の1形18両の置き換えを目的としていましたが、新造車両として扱われました。1200系は1956年から1958年にかけてナニワ工機で製造され、全車両が2扉ロングシート車として完成しました。

主要機器

1200系電車の特筆すべき点は、その主要機器の設計にあります。台車や電装品は旧型車両から再利用されましたが、複雑な調整が行われました。具体的には、台車は920系から流用され、主電動機や制御機器は600形から取り出されて利用されています。主電動機としては芝浦SE-140が装架され、1200形はそれぞれ4基、1230形は各2基装備しています。この電車の駆動装置は吊り掛け式で、歯数比は2.77に設計されています。

制御器には電空カム軸式制御器である芝浦PC-2Bが搭載され、これは920系の後期に導入されたものであり、600形との間での主電動機交換時に設置されました。台車には扶桑金属工業のKS-33Lや川崎車輌製の川-16（一部車両のみ）が流用されており、1958年には新たに製造された1232・1233の台車を再利用するために1250・1251は別の台車に交換されました。

製造と編成

1200系の製造は、920系以降の在来の吊り掛け駆動車と同様の設計で、制御電動車である1200形（1200-1207）と制御車である1250形（1250-1257）の計16両が製造されました。これらの車両は基本的に2両編成として組み合わせられ、他の新型車両に比べてやや早く竣工しました。

次に計画された1208Fでは設計が変更され、中間電動車が製造され、形式名は610系の配慮をもとに1230形となりました。

変遷と改造

1200系は昇圧改造を受け、AR自動空気ブレーキからHSC電磁直通ブレーキへ変更され、ATSが設置されました。この改造に伴い、運転台の撤去や編成の組み換えが実施されました。また、中間電動車4両のうち1232・1233は中間付随車として再利用され、その他の車両も主電動機を強化するための変更が行われました。

昇圧後も台車の種類変更が続き、1250・1252が川-16に、1253-1257がL-17に交換され、1971年以降は廃車された1550形の台車を再利用して新たに交換されました。また、付随車化した1232・1233は当初は元のKS-33Lを装備していましたが、のちに変更されました。

運用と廃車

1200系は主に宝塚線で運用されてきましたが、後に神戸線の支線でも見られるようになりました。運用の晩年には、京都線の1300系から余剰となった中間車が転籍し、1200系の編成に組み込まれることもありました。しかし、1982年から1983年にかけて全車両が順次廃車され、1200系の時代は終わりを迎えました。

参考文献

• - 山口益生『阪急電車』JTBパブリッシング、2012年

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