阪本篤

阪本 篤

日本の俳優であり、自身の演劇ユニット「温泉ドラゴン」の主宰を務める阪本篤（さかもと あつし）は、1978年8月12日に生まれた。多方面で活躍する俳優が数多く所属するヘリンボーンに籍を置いている。かつては、エビス大黒舎にも所属していた時期がある。

阪本の演劇活動は、「流山児★事務所」での経験から始まった。ここで俳優としての基礎を培った後、2010年4月に自身の新しい拠点となる「温泉ドラゴン」を旗揚げした。主宰者として劇団を率いる一方、俳優としても並々ならぬ情熱を注いでおり、旗揚げ以降に「温泉ドラゴン」が上演したすべての作品に出演し続けている。彼の俳優としてのキャリアにおいて、「温泉ドラゴン」は創作活動と表現の重要な場となっている。

舞台は阪本の活動の中心であり、「温泉ドラゴン」の公演では中心的な役割を担っている。旗揚げ公演の『escape』や、繰り返し上演され、劇団の代表作の一つともなっている『birth』など、多くの作品に出演。特に『birth』は、2014年と2015年に韓国で複数都市を巡る海外ツアーが実施されるなど、国際的な評価も得ており、これらの海外公演にも全て参加した。他にも、『vision』、『桜』、『カム伝』、『烈々と燃え散りしあの花かんざしよ』、『或る王女の物語〜徳恵翁主〜』、『幸福な動物』など、温泉ドラゴンのほぼ全ての創作に関わっている。

「温泉ドラゴン」以外の舞台にも多数参加し、俳優としての経験を積み重ねている。キャリア初期には所属していた「流山児★事務所」の公演に度々出演し、『浮世混浴鼠小僧次郎吉』、『血は立ったまま眠っている』、『チャンバラ』といった作品に参加。夏目漱石原作を舞台化した「龍昇企画」の『こころ』や、『風景の没落』、川村毅演出の「TPT」公演『ウルリケメアリースチュアート』にも出演した。近年では、「劇団PATHOS PACK」の宇梶剛士が手掛けた作品や、鄭義信、西沢英治、大西弘記といった演出家の作品にも参加している。2024年10月には、老舗劇団である加藤健一事務所の公演『灯に佇む』への出演も予定されており、活動の幅広さと円熟味を示している。

映像分野への出演も積極的に行っている。テレビドラマでは、フジテレビ系の「白い春」第1話で警官役を演じ、テレビ東京系の経済ドキュメンタリー番組「ルビコンの決断」では技術者役を務めた。WOWOWの企画番組「変身!合体!超合金!」や、テレビ朝日系の人気シリーズ「遺留捜査」第10話では鑑識役で登場するなど、ジャンルを問わず様々な役柄を演じている。映画では、2018年公開のヤマシタマサ監督作品「東京ノワール」に出演。さらに、HONDAのVP映像やACジャパンのCMにも起用されるなど、俳優としての活動は多岐にわたる。

阪本篤は、自身の主宰する「温泉ドラゴン」を拠点に、創作と俳優活動の双方に深く関わりながら、国内外の舞台、そして映像作品と、多様な表現の場で精力的な活動を展開し続けている。彼の演技は、様々な演出家や共演者との出会いを通じて磨かれ、深みを増している。

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