阮小七

阮小七（げんしょうしち） - 『水滸伝』の登場人物

阮小七（Ruǎn Xiǎoqī）は、中国の古典小説『水滸伝』に登場するキャラクターで、梁山泊の好漢たちの中でも特に愛されている存在です。彼は梁山泊の第三十一位の好漢で、天敗星の生まれ変わりとされています。愛称は「活閻羅（かつえんら）」で、阮三兄弟の末っ子として描かれています。明るくお調子者な性格で、若干十代後半であることから、仲間とともに笑いを誘うことを得意としていました。しかし、彼の陽気なキャラクターは官憲には不評だったため、それが後に彼の立場を危うくする要因となりました。

生い立ちと背景

阮小七は梁山泊の近くに位置する石碣村で生まれ育ちました。彼は二人の兄、阮小二と阮小五と共に漁師として生活していましたが、周囲の厳しい税金の取立てや、梁山泊を襲う山賊団の影響で、不安定な生活を余儀なくされていました。このような環境にあった彼は、博打や闇商売に手を出し、ゴロツキの生活を送っていましたが、いつか大きなことを成し遂げようという夢を抱いていました。

ある日、近隣で名高い知恵者、呉用が訪ねてきます。阮小二と呉用は互いに上座に座ろうとしたが、小七は機転を利かせて、家の主である小二が上座に、呉用が客だから下座に座るべきだと提案しました。このときの小七の発言は、呉用に好印象を与えました。彼らは生活の厳しさを語り合い、呉用から提案された大きな計画に賛同したのです。

大冒険と仲間との絆

呉用が提案した計画は、東渓村の庄屋・晁蓋が、贈賄のために積んでいる十万貫の金を奪うというものでした。彼らは晁蓋の人柄を信じ、喜んで協力しました。この計画は成功し、晁蓋は官憲の追跡を逃れ、梁山泊に逃げ込むことができました。新たなリーダーとなった晁蓋のもと、阮小七は兄弟と共に水上戦で官軍を打ち破りました。

彼と兄たちは水軍の要として活躍し、特に官軍の大砲部隊を壊滅させるなど、数多くの戦闘に参加しましたが、不運にも関勝との戦闘で独断で行動し、仲間を救うために捕まることとなりました。しかし、百八星が集結した後も水軍の指導者として活躍し続けました。

朝廷との対立と反発

朝廷への帰順には反対する姿勢を貫いた阮小七は、朝廷の使者を騙して飲み物を入れ替え、他の好漢たちの怒りを買う事をやりました。この行動が物議を醸しましたが、最終的に梁山泊は朝廷に帰順することとなります。阮小七も官軍として働くことになりましたが、彼の心の中には常に不満が渦巻いていました。方臘討伐の最終決戦では、仲間たちのために偽投降し、内側からの攻撃を行う役割を果たしましたが、長兄の小二や次兄の小五を失う悲劇に見舞われます。

戦いの中で、方臘の服を着て真似をすることで頭領たちを笑わせたが、朝廷から派遣された将軍たちはこれを許さず、阮小七は激怒しました。その後、梁山泊の好漢らは官職を授与されましたが、彼は裏工作によってすべての官職を剥奪されてしまいます。しかし、小七は故郷に戻り、漁師として穏やかな日々を過ごし、60年の人生を全うしました。

最後に

彼は『水滸後伝』にも登場し、悪徳役人を斬り殺して仲間と合流するなど、悪戯好きな性格は最後まで変わりませんでした。阮小七の物語は、地元への愛情や仲間との絆、逆境に立ち向かう強さを示しています。

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