堺泉北港

堺泉北港の概要

堺泉北港（さかいせんぼくこう）は、大阪府堺市の堺区、西区、高石市、泉大津市にまたがる港です。この港は、大阪湾に流れ込む大和川と大津川の間に位置し、北側には大阪港、南西には阪南港が隣接しています。堺泉北港は港湾法に基づき国際拠点港湾に指定されており、管理者は大阪府です。2020年10月からは大阪港湾局の監督下に置かれていますが、その港湾管理者は変更されていません。

この港は、神戸港、尼崎西宮芦屋港、大阪港と共に阪神港の一部として認識され、阪神港堺泉北港の名前でも知られています。1970年代に堺泉北臨海工業地帯とともに整備され、多くの企業が専用岸壁を持ち、取扱貨物量の約70%を占めています。これに対し、フェリーや海上コンテナの取り扱いは少ないのが特徴です。2008年からは、阪神淡路大震災の教訓を受け、大規模な災害時に備えて救援物資の搬入・搬出を支援するための拠点としての整備も行われています。

歴史

堺泉北港の歴史は、中世から近世にかけて遡ります。遣明船や朱印船による日明貿易や南蛮貿易で栄えた堺港、古代に設立された和泉国の国津である大津港がそのルーツです。1969年に堺港と泉北港が統合され、現在の形態となりました。2020年には、大阪市と大阪府の港湾局が統合されたことにより、大阪港湾局の管轄市となりました。

堺港の詳細

堺港は三津七湊の一つであり、応仁の乱以降は遣明船が西軍に占領されていた兵庫津を避け、堺港を利用するようになりました。16世紀には堺商人の活躍により、南蛮貿易の中心的な場所へと成長しました。ところが、大坂の陣により堺市街が壊滅し、江戸時代には国の鎖国政策の影響もあって、その機能は衰えていくことになります。もともとは堺区海山町の北東辺りに位置していましたが、明治以降も再建工事が行われ、最終的には現在の地に港が設けられました。

大津港の歴史

一方、大津港は和泉国府の外港として古い歴史を持ち、土佐日記や更級日記などにもその名が登場します。江戸時代には和泉木綿の積出港として繁栄し、明治時代に入ると毛布製造が始まり、さらに取扱貨物量が高まりました。その後、埋立工事を経て近代化され、工業港として整備されました。東港の埠頭は宅地化され、港湾機能は小松埠頭に移行しています。

港勢と施設

堺泉北港の取扱貨物量は、2012年において全国で11位、入港船舶の数は27位です。主な取扱貨物には、外貿向けの石油製品や自動車があり、施設としては塩浜埠頭や大浜埠頭などが重要な役割を果たしています。特に塩浜埠頭は化学薬品や石材の取り扱いが多く、大浜埠頭は青果物の流通にも力を入れています。防災拠点としても機能し、泉大津港フェリーターミナルからは新門司港へ向かうフェリーが運航されています。

まとめ

堺泉北港は、その歴史と機能から大阪府における重要な港の一つとして位置付けられています。様々な貨物の取り扱いを行い、特に臨海工業地帯との関係が強いことが特徴です。また、港湾機能の整備や防災拠点としての役割もあり、この地域にとってなくてはならない存在となっています。

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