阿児電報電話局

阿児電報電話局の歴史と役割

阿児電報電話局は、かつて三重県志摩郡阿児町（現在の志摩市）に位置していた日本電信電話公社（現在のNTT西日本）の重要な通信施設です。この電報電話局は、地域住民に電話および電報サービスを提供するために1967年10月28日に開局されました。これにより、阿児町と周辺地域の連絡手段が一層整備され、通信環境の向上に寄与しました。

所在地と関連施設

阿児電報電話局は、三重県志摩郡阿児町鵜方に所在し、地理的な座標は北緯34度19分46.8秒、東経136度49分46.3秒です。この局所は、地域内の様々な電話交換局と密接に連携しており、電話交換業務は、当初甲賀電話交換局、安乗電話交換局から引き継がれました。また、他にも三重磯部電話交換局や的矢電話交換局といった関連する局も同時期に開局し、阿児町を中心とした通信インフラが整備されていきました。

開局からの沿革

阿児電報電話局の開局から数年の間に、いくつかの重要な出来事がありました。1969年の4月11日には三重磯部電話交換局が開局し、磯部地区の郵便局から電話交換業務を引き継ぎました。また、同年7月19日には的矢電話交換局も開局し、この局は的矢郵便局から業務を引き継ぐ形となりました。

その後、1974年の2月には宿田曽郵便局、1978年の9月には多徳郵便局の電話交換業務も引き継がれるなど、阿児電報電話局は次第に広範なサービスを提供するようになりました。1983年には、磯部郵便局と阿児安乗郵便局からの和文電報配達業務を引き継ぎ、1984年には的矢郵便局の一部業務も担うこととなりました。

民営化とその後の展開

1985年に電電公社が民営化された後、阿児電報電話局はNTT三重支社の管轄下に入りました。この時期には、アナログからデジタル通信への移行も進み、地域社会の通信ニーズに応えるための取り組みが積極的に行われました。1987年には、大王電報電話局と五ヶ所電報電話局が廃止され、その業務を引き継ぐこととなりました。

やがて1989年4月1日には、NTT伊勢志摩支店阿児営業所としての体制に移行し、1991年2月には業務をNTT伊勢志摩支店に統合しました。これにより、阿児電報電話局は地域の通信網としての役割を終えることとなりますが、その存在は今でも地域の記憶に残り、歴史的な重要性を持ち続けています。

参考文献

この局の歴史については、いくつかの文献が存在します。特に『東海の電信電話 -90年のあゆみ-』や、阿児町史編纂委員会による『新版 阿児町史』などがあります。これらの資料は、阿児電報電話局の開局以来の出来事や変遷を詳しく記録しており、地域の通信発展に寄与した重要な資料と言えるでしょう。

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