阿貴的家族

阿貴的家族とアークエとガッチンポー：台湾発シュールコメディアニメの軌跡

台湾発祥のFlashアニメ『阿貴的家族』（原題：阿貴的家族、英題：A-kuei）は、シュールで時に下品な笑いを織り交ぜた独特な作風で知られています。不条理ギャグも多用されており、子供から大人まで幅広い層に魅力的な作品として人気を博しました。

フジテレビ版：阿貴的家族

日本での放送は大きく2つのシリーズに分けられます。最初はフジテレビで2001年から2003年にかけて放送された『阿貴的家族 アークエ・ファミリー全員集合!!』とその続編『超阿貴的家族 爆笑一家再襲来!』です。台湾のスプリングハウス制作のアニメーションに、日本独自のギャグや吹き替えが加えられた作品でした。台湾の春水村を舞台に、好奇心旺盛な少年アークエとその家族、個性的な仲間たちの日常を描いた物語は、独特のユーモアで視聴者を魅了しました。

テレビ東京版：アークエとガッチンポー

2つ目のシリーズは、2004年から2005年にかけてテレビ東京系で放送された『アークエとガッチンポー』とその続編『アークエとガッチンポー てんこもり』です。こちらは日台合作体制で制作され、アニメーション制作をスプリングハウス、脚本・演出・アフレコなどをアニプレックスが担当しました。舞台は東京に移り、主人公のタケシが不思議な世界「アンダーウォーターワールド」に迷い込み、アークエやU.N.C.O.（地下ネットワーク連絡組織）のメンバーとして、悪の組織PIPSと戦う物語が展開します。

『アークエとガッチンポー てんこもり』では、毎回有名声優が演じるゲストキャラクターが登場するのが大きな特徴でした。アニプレックスの公式サイトでは、次回予告にゲスト声優の名前と写真が掲載され、話題を呼びました。また、2005年には劇場版『アークエとガッチンポー THE MOVIE チェルシーの逆襲 / アークエと魔法のハンマー』も公開されました。

プロデューサーの鎌形英一氏は、『ガッチンポー』について、「植田益朗の『子供達が学校のトイレでうんこができないのはおかしい』という考えから発展してできたアニメ」と語っています。作品タイトルに「チンポ」を含むものの、作中の下ネタはうんことトイレが中心で、意外にも子供も楽しめる内容でした。台湾でも放送が予定されていましたが、第1話のみの放送で打ち切られてしまいました。

個性豊かなキャラクターたち

両シリーズを通じて、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩りました。

阿貴的家族:

アークエ：好奇心旺盛な少年主人公
アーティー：アークエの弟、お漏らしが常習化している
ママ：アークエの母、値引き交渉に強い
シュウメイ：アークエの妹、台湾式の陰陽師
アーマ：アークエの祖母、若々しい趣味を持つ
ダートゥー：アークエのペットの犬、しゃべることができる
イエンズ：金持ちの少女
シャオファン：アークエに恋する少女
モンジャン：天下統一を目指す少年
ジェンパオ：モンジャンの仲間
リー先生：アークエの担任教師

アークエとガッチンポー:

タケシ：主人公、トイレからアンダーウォーターワールドに迷い込む
ジャスミン：U.N.C.O.のリーダー
プリプリクラゲ：謎のクラゲ、ピンクのうんこの姿
PIPS首領：悪の組織PIPSのボス
チェルシー：PIPS首領の娘
ぶどうキング：運の悪いタクシー運転手
大魔王：正体不明の魔王、シュウメイに振り回される
* シロ／クロ：アーマの魂を狙う死神

その他、多くの個性的なキャラクターとゲスト声優が作品を盛り上げました。

スタッフと制作

フジテレビ版とテレビ東京版では、スタッフ構成や制作体制が異なっていました。フジテレビ版は主に台湾側が制作し、日本側が吹き替えを担当。テレビ東京版は日台合作で、アニメーション制作はスプリングハウス、脚本・演出・アフレコなどはアニプレックスが担当しました。それぞれの版で異なる魅力が感じられます。

まとめ

『阿貴的家族』と『アークエとガッチンポー』は、シュールでユーモラスな世界観、個性的なキャラクター、そして豪華声優陣によって、多くの視聴者を魅了した作品です。独特の笑いと魅力的なキャラクターたちは、今でも多くのファンに愛され続けています。

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