阿部保夫

阿部保夫（あべ やすお、1925年9月15日 - 1999年12月26日）は、宮城県石巻市出身の著名なギタリストであり、日本のギター音楽界に多大な貢献をしました。息子の阿部恭士もまたギタリストとして活躍しています。

生い立ちと初期の活動

阿部保夫は、幼少期に兄の影響を受けてギターに興味を持ち始めました。1938年からは管ノ又信太郎に師事し、ギターの基礎を徹底的に学びました。その才能は早くから開花し、1947年には古賀政男が主宰する古賀ギター歌謡学院で講師を務めることになります。この時期から、阿部は指導者としての才能も発揮し始めました。

国内外での研鑽

1948年、阿部は第一回全国ギターコンクールで見事一位を獲得し、その実力を広く認められました。その後、更なる高みを目指し、1953年にはイタリアへ留学。アンドレス・セゴビア、エミリオ・プジョールといった巨匠に師事し、演奏技術だけでなく音楽に対する深い理解を学びました。これらの経験は、彼の音楽性を豊かにし、独自の演奏スタイルを確立する上で大きな影響を与えました。

NHKギター教室と日本ギタリスト協会の設立

1966年からは、NHK教育テレビの『NHKギター教室』の初代講師を5期にわたり担当しました。この番組を通じて、ギター音楽の普及に大きく貢献し、多くの人々にギターの魅力を伝えました。また、1969年には日本ギタリスト協会が発足し、初代委員長に就任。コンクールやコンサートを数多く開催し、日本のギター界全体の発展に尽力しました。晩年に至るまで、その情熱は衰えることなく、後進の育成にも力を注ぎました。

死去と遺産

1999年12月26日、阿部保夫は心筋梗塞により74歳で生涯を閉じました。しかし、彼の音楽に対する情熱と指導は、多くの弟子たちによって受け継がれ、日本のギター音楽界に大きな遺産を残しました。

主な弟子

アントニオ古賀

著書

『カルカッシ・ギター教則本(楽譜)』全音楽譜出版社
『独奏と合奏による スクールギターテキスト (楽譜)』全音楽譜出版社
『ギターライブラリー新版演奏会用 バッハ名曲選集 (楽譜)』全音楽譜出版社
『演奏会用ルネッサンス名曲選集 (楽譜)』全音楽譜出版社

外部リンク

阿部ギター研究所
阿部保夫は、演奏家としてだけでなく、教育者、協会運営者としても日本のギター音楽界に多大な貢献をした人物として、その名が刻まれています。

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