阿部成寿

阿部成寿（あべ なるひさ）氏は、1967年4月15日生まれの人物で、現在は朝日放送（ABC）の報道局ニュースセンターに記者として在籍しています。かつては同局のアナウンサーとして、長年にわたり様々な番組でその声と姿を届けました。

三重県鈴鹿市で育ち、三重県立津西高等学校を経て同志社大学文学部文化学科に学びました。大学時代には、アナウンス技術を深めるため、生田教室に通っていました。卒業後の1991年、アナウンサーとして当時の朝日放送に入社。この時の同期には、後にアナウンサーから報道局記者へと転身した中村智子氏などがいました。

アナウンサーとしてのキャリア初期から、主に報道・情報番組を中心に活躍しました。テレビでは、早朝の情報番組である『おはようコールABC』や『おはよう朝日です』でニュースキャスターを担当し、日々の出来事を視聴者に伝えていました。ラジオにおいては、1990年代中頃から後半にかけて、プロ野球シーズンオフのナイターオフ番組『阿部成寿のミュージックフライト』でメインパーソナリティを務め、アナウンサーとしての幅広さを見せました。

『おはよう朝日です』のニュースキャスターを退いた後も、朝日放送ラジオの平日帯番組、例えば『おはようパーソナリティ道上洋三です』などには、「ニュースデスク」として出演し、最新のニュースを分かりやすく解説しました。また、『ニュース探偵局』では、司会や取材担当として、報道の最前線に関わり続けました。2008年頃からは、アナウンス室に籍を置きながらも、報道局ニュースセンターの記者業務を兼ねるようになり、記者としての経験も重ねていきました。

そして2009年4月、人事異動によって正式に報道局専属となり、アナウンス室を離れました。これ以降は、主に朝日放送ラジオの定時ニュースである『ABC朝日ニュース』のデスクとして、ニュース原稿の作成や編集といった裏方業務を中心に担当しています。その一方で、『ニュース探偵局』などの報道関連番組へは不定期ながら出演し、自身の取材や分析に基づいた報告を行っています。

過去には興味深いエピソードもあります。『おはようコールABC』が大阪タワー内のスタジオから放送されていた時期、番組終了後に同タワーのエレベーターで当時の本社社屋（大阪市北区大淀南）内のスタジオへ移動し、『おはよう朝日です』内のニュースにも出演するという多忙なスケジュールをこなしていました。ある強風の日、移動中のエレベーターが安全装置の作動により緊急停止。手動操作を担当する職員が出勤するまで、約2時間にわたってエレベーターの中に閉じ込められたという出来事があったそうです。

個人的な趣味としては、熱心な鉄道ファンとして知られています。この鉄道に関する深い知識は、仕事にも活かされており、鉄道関連の話題がニュースになった際には、ニュースデスクとして出演していたラジオ番組で専門的な解説を行うこともありました。2011年4月にレギュラー放送が再開された『ニュース探偵局』では、同期の中村智子氏らと共に、週替わりで番組の進行、取材報告、インタビューなどを担当。アナウンサーとして培った伝達力と、記者としての探求心を活かし、様々な社会問題や出来事について深く掘り下げた報道を続けています。

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