阿部成章

阿部成章（あべ しげあき）

阿部成章は1947年9月22日に山形県鶴岡市で生まれたバスケットボールの選手です。彼は日本のバスケットボール界において重要な役割を果たした実力派の選手であり、また引退後も指導者として活躍しています。

学生時代

阿部は加茂水産高校を卒業し、その後日本体育大学に進学しました。在学中、彼は能力を開花させ、バスケットボール選手としての基盤を固めました。この頃にはすでに彼の実力が注目されており、多くの期待が寄せられていました。

プロキャリア

大学卒業後、阿部は日本鉱業に入社しました。入社最初のシーズンである第4回日本リーグではその才能を発揮し、ベスト5、新人王、得点王のタイトルを獲得しました。彼は業界のトップ選手との競争の中で力を示し、致し方なくMVPは日本鋼管の谷口正朋に譲ることになりましたが、その後日本鉱業がリーグ初優勝を果たした際には、ついにMVPを手にしました。

その後、阿部は日本リーグにおいて2000年まで第4回大会から第8回大会まで5年連続でベスト5に選ばれるなどの成果を収め、優れたガードプレーヤーとしての地位を築き上げました。

国際舞台での活躍

また、阿部は全日本チームとしてミュンヘンとモントリオールのオリンピック2大会に出場しています。特に1976年のモントリオールオリンピックではチームの主将を務め、準決勝でのプエルトリコ戦では34点を記録しました。この得点は、日本代表のオリンピックにおける男子バスケットボール最高得点として今も語り継がれています。

影響力と引退後の活動

彼は日本体育大学から企業チームに最初に進んだ選手であり、その後多くの大学生選手が実業団へ進む道を切り開きました。また、その戦績や選手としての姿勢は、同世代の選手だけでなく後輩たちにも大きな影響を与えました。このような功績から、阿部は日本のバスケットボール界にとって重要な人物となっています。

AJBAでは日本リーグの第一号外国人選手であるジェローム・フリーマン（松下電器）が、『月刊バスケットボール』のインタビューで「日本人選手で一番好きな選手は阿部さん」と述べるなど、彼の人柄やプレースタイルは国際的にも評価されています。

引退後はコーチやヘッドコーチとして数々のクラブや代表チームを指導し、バスケットボールの技術や戦略を次世代に教える活動を続けています。彼のポジションは「ガード」とされることが多いですが、プレースタイルはNBAの伝説的選手ピート・マラビッチに例えられることもある多才なプレーヤーでした。現在ではコンボガードやスウィングマンに位置づけられる存在です。

阿部成章は、そのキャリアを通じて日本バスケットボール界において一際輝かしい存在であり続け、選手、指導者としての実績は多くの人々に影響を与えています。

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