阿部雅美

阿部 雅美について

阿部雅美（あべまさみ、1948年生まれ）は、日本の著名なジャーナリストであり、特に北朝鮮による日本人拉致事件を初めて報道したことで知られています。東京都で生まれ、1972年に早稲田大学の政治経済学部を卒業後、産業経済新聞社に入社しました。彼は以後、産経新聞社で数々の重要なポジションを歴任し、メディア業界に多大な影響を与えました。

経歴の重要な転機

阿部は1980年1月7日、サンケイ新聞の朝刊において「アベック三組ナゾの蒸発」「外国情報機関が関与？」という見出しで、日本人拉致事件を初めて報じました。このニュースは当初、大きな注目を集めませんでした。実際、被害者の家族が公明党議員に助けを求めるも、「原因不明」との答弁が返されてしまいました。彼自身はこの時期について、他社の多くが北朝鮮を意識して報道を控えていたという見解を否定し、自身の報道の独自性を強調しています。

その後、1987年に発生した大韓航空爆破事件を契機に、拉致事件が北朝鮮によるテロ活動として広く認知されるようになりました。1988年3月26日には、参議院予算委員会で梶山静六国家公安委員長が日本人拉致を認める答弁を行いましたが、この重要な発言はテレビでの放送はなく、産経新聞と日経新聞の夕刊でのみ取り上げられました。

さらなる成果と業界への影響

阿部は、1997年には「北朝鮮による日本人拉致事件疑惑」として2年連続で新聞協会賞を受賞し、その業績を世に知らしめました。続いて、産経映画の社会部長、サンケイスポーツ編集局長、東京本社編集局長、常務取締役、産経デジタルの初代社長として様々な役割を果たしました。

特に、産経デジタルにおける業績が目立ちます。阿部は、新たなデジタル戦略を推進し、記者ブログやニュースサイトの立ち上げに尽力しました。「イザ!」や「MSN産経ニュース」、さらには「ZAKZAK」や「sanspo.com」といった多くのプラットフォームを立ち上げ、産経新聞のデジタル展開に貢献しました。2006年には、Web界での活躍が評価され、「Web人 of the year」の受賞にも至りました。

最近の活動と著書

2018年1月7日からは、産経新聞で「私の拉致取材-40年目の検証」という連載を開始し、日本人拉致事件に関する自身の取材とその影響について再検証しました。彼の著作には、『未来史閲覧』や『メディアは死んでいた-検証 北朝鮮拉致報道』などがあり、メディアの役割や拉致問題の重要性について深く掘り下げています。

まとめ

阿部雅美の活動は、北朝鮮による日本人拉致問題の認知を高め、メディア業界におけるデジタル化を推進する上で、非常に重要な役割を果たしました。彼の業績は、ただのジャーナリストとしての枠を超え、社会に対する深い貢献を成し遂げています。

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