MSN産経ニュース

MSN産経ニュースについて

MSN産経ニュースは、2007年10月1日に開設されたニュースウェブサイトであり、産経新聞とマイクロソフトのMSNが提携して運営されていました。このニュースサイトは、毎日新聞社がMSNとの提携を終了し、その後継として誕生しました。サイトの開設は2007年6月27日に発表され、その後数か月を経て正式にスタートしました。

開設当初、産経新聞は「ウェブ・パーフェクト」の実現を目指すと宣言しました。マイクロソフト側は、産経新聞を「革新的な報道機関」として位置付けました。この提携には、当時のマイクロソフト執行役の笹本裕が深くかかわっています。開設を記念して、歴史的な出来事に基づく記者による特集記事『記者は見た！』シリーズが連載され、注目を集めました。

サイトがスタートした際、既存の産経ニュースサイトであったSankei Webは一時的に閉鎖され、MSN産経ニュースへとユーザー流入が促進されました。サイトの操業が終了した後は、Sankei.comでニュースを配信していますが、同社が運営する夕刊フジ（ZAKZAK）やサンケイスポーツ（SANSPO）などは独立したまま運用が続いていました。

特筆すべき点として、MSN産経ニュースでは記事の掲載期間が、前のサービスよりも長く設定され、3か月から6か月に及ぶようになりました。産経新聞の阿部雅美は、関連記事を追加することで記事に深みが増し、アクセスが向上するという見解を示しました。

2007年10月18日には、ニュース風のブログパーツ「ざわざわジェネレーター」が追加され、キャスターには魚住りえが起用されるなど、新しい試みも行われました。また、Windows Vista向けのガジェットも提供されるなど、サービスの多様化が図られました。調査によると、開設から間もなくして、MSN産経ニュースは2344万PVという高いアクセス数を記録し、新聞社の中で最も訪問されたサイトとなっていました。

その後のサイト活動として、速報、国際、ライフなどのニュースジャンルが設けられ、一部には一般紙に見られる訃報のカテゴリも存在したものの、2011年の全面リニューアルに伴い消滅しています。リニューアルでは背景が青から白に変更され、新たにMSN産経フォトが追加され、初めて記者による書下ろし記事が掲載されるなど、進化を遂げました。

さらに、大阪本社によるニュース「MSN産経ニュースwest」や独自のニュースアプリも登場しました。2012年にはPR TIMESとの連携が始まり、プレスリリースの掲載も行われるなど、メディアとしての機能が拡張されていきました。2013年には、ユーザーが川柳を投稿できる「MSN産経川柳倶楽部」もスタートしましたが、1年後に終了しています。

しかし、順調に見えたサービス運営も、いくつかのトラブルに直面しました。開設後すぐにアクセスが急増し、ページが正常に表示されない事例が発生したほか、2012年には一部記事にCNNからの無断転載があったことが発覚し、謝罪文の掲出を余儀なくされました。

安定したサービスが続く中、2014年9月にMSN側でサイトの刷新が決まり、同時にMSN産経ニュースのサービス終了がannouncementされました。MSNは産経新聞以外の新聞社のコンテンツも提供し、産経側では新たなオピニオンサイト「iRONNA」を立ち上げることとなりました。商業的には成功を収めていたことから、両社間の円満な合意によりサービスが終了することになりました。

そして、2014年10月1日にサービスは終了し、7年間の運営に幕を下ろしました。サービス終了後、サイトは一時的に残されましたが、2016年にはサーバーも接続できなくなり、実質的に完全に終了しました。

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