阿閉吉男

阿閉 吉男の生涯と業績

阿閉吉男（あとじ よしお、1913年8月28日 - 1997年8月20日）は、日本の著名な社会学者であり、名古屋大学および創価大学の名誉教授として知られています。東京で生まれ育った後、府立六中を経て、1937年に東京帝国大学文学部社会学科を卒業しました。彼の学問の道はここから始まり、名古屋大学で助教授としてキャリアをスタートさせ、その後1960年に教授に昇進しました。1977年には定年を迎え、さらに創価大学教授として活躍し、1993年に退職しました。

阿閉はジンメルやマックス・ヴェーバーの研究に力を入れ、1970年には日本社会学会の会長を務めました。特に1980年には『ジンメル社会学の方法』で日本学士院賞を受賞し、社会学の発展に寄与した彼の業績が評価されました。

主な著書

彼の著書には、「代表的社会学者第1ドイツ篇」（1954年）、
「市民社会の系譜」（1955年）、
「ジンメル」（1959年）、
「初期のマックス・ウェーバー」（1973年）、
「ウェーバー社会学の視圏」（1976年）、
「ジンメル社会学の方法」（1979年）、
「ジンメルとウェーバー」（1981年）、
「ジンメルの視点」（1985年）、
「ジンメルの世界 空間・都市・文化」（1989年）などがあります。これらの著作は、彼が探求した社会学の様々な側面を示しており、特にドイツの社会学者たちの業績を深く掘り下げている点が特徴です。

また、共編著として「社会学通論」（1950年）や「社会学史」（1952年）などもあり、これらは社会学科の教育において重要な教材となっています。

翻訳業務

阿閉は翻訳者としても多くの貢献をしています。彼は、ハンス・フライヤアの「社会学」（1935年）、ジンメルの「文化の危機」（1938年）、マックス・ウェーバーの「官僚制」（1954年）など、重要な社会学的著作を日本語に訳しました。これにより日本の社会学界には、多くの海外の思想が紹介され、発展が促進されました。

記念論集

阿閉の功績を称え、彼の定年退官を記念する論集「近代社会学の諸相」が1978年に出版されました。このような記念の場も彼の影響力の証といえるでしょう。

最後に

1997年に彼が世を去るまで、阿閉吉男は日本の社会学に多大な影響を与え続けました。その研究の深さと多様性は、後の世代の社会学者たちにとっても貴重な資産となっています。

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