陥入爪

陥入爪（かんにゅうそう）について

陥入爪とは、爪がその側面で周囲の皮膚や軟部組織に食い込んでしまう状態です。この状態は、強い痛みや炎症を引き起こし、最悪の場合には感染を伴うこともあります。従来は手術による外科的治療が主流でしたが、21世紀に入ってからは、保存的治療法の導入が進んでいます。

陥入爪と巻き爪の違い

陥入爪と似たような言葉で「巻き爪」がありますが、両者には明確な違いがあります。巻き爪は、爪の先端が内側に巻き込まれることで爪床を圧迫する状態を指し、陥入爪とは異なります。しかし、これらの病状には共通する原因が多く、同時に存在することも珍しくありません。

原因

陥入爪や巻き爪の原因には物理的な外力が大きく関与しています。例えば、幅が狭い靴やハイヒールを履くことで足の指に圧力がかかります。また、加齢による歩行の変化や、深爪によって爪の端を切りすぎるケースもあります。このような場合、痛みを和らげようとしてさらに短く切ることが多く、自己悪化の原因となります。

また、遺伝的な要因や抗がん剤の副作用によって多趾に陥入爪が見られることもあります。

治療法

これまでの治療は外科手術に頼ることが一般的でしたが、1999年以降、ワイヤーを使用した保存的治療法が提案されました。多くの医療機関では、まず保存的治療が優先され、難しい症例に対して手術を検討する流れになっています。2015年のガイドラインでも、最初に保存法が推奨されていますが、今後の研究成果が期待されています。

保存的治療

様々な方法が用いられます。まず、ワイヤーによる矯正があり、爪の端に穴を開けてワイヤーを通して広げる方法です。コットンやテーピングを利用することで多くの症例に対応可能です。また、VHO法という手法では、爪の両端にフックをかけて広げる方法が取られます。金属プレートや、「巻き爪ロボ」と呼ばれる器具を使って、爪を圧力で壊すことも可能です。

パラレルにガター法、ワイヤー法、フェノール法などが存在しますが、手術による治療には再発のリスクが高いという懸念もあります。

外科的治療

外科的治療としては、フェノール法や爪の剥離があり、特にフェノール法では爪の成長を抑制するために化学薬品を利用しますが、クォリティが保障されないという意見も存在します。手術を行った後でも高い再発率を記録しており、再発を砂特に心配している疾患です。

痛みの緩和

痛みを軽減するための方法として、遊離縁の溝にコットンを詰めたり、らせん巻きのテーピングを行うことが有効です。ただし、適切な厚さでないと逆に痛みを引き起こすこともあるため注意が必要です。軽症の場合はコットンだけで改善することもありますが、他の治療法と併用することで、より効果的な結果を得られます。

予防

陥入爪自体が爪の内部組織を傷つけることで発生するため、爪の切り方には特に注意が必要です。特に巻き爪気味の患者は、適度な爪の長さを保つことが重要です。

近年の出来事

2023年には、陥入爪が原因で行動不能となった登山者がヘリコプターで救助される事例があり、登山中の健康への警告として話題になりました。これは、陥入爪がもたらす影響の深刻さを再認識させる出来事となりました。

参考文献

• - 日本形成外科学会、日本創傷外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会『形成外科診療ガイドライン2 急性創傷／瘢痕ケロイド』金原出版、2015年
• - 公式ウェブサイト（了解の上参照）

このように、陥入爪は非常に厄介な病状でありながら、治療法が進化を遂げていることを理解することは重要です。

もう一度検索