陶板画

陶板画は、陶器の板に図柄を描き、焼き付けたものです。英語では "porcelain panel painting" と呼ばれ、単に「陶板（plaque）」とも呼ばれます。

概要

陶板画の技法は18世紀半ばにヨーロッパで生まれました。油絵や壁画などと比較して、色調の経年劣化が少ないという特徴があります。そのため、維持管理が容易であり、屋外への展示や作品に直接触れることも可能です。

製造方法は、陶板に絵付けと焼成を繰り返すという工程を経ます。焼成後の発色を考慮して絵付けを行う必要があり、高度な技術が求められます。特に名画を再現する際には、まず原画から色の分解を行い、それを陶板に転写してから焼成するという手順を踏みます。

陶板画の利用目的

陶板画は、その耐久性と美しさから様々な目的で利用されています。

インテリア: 絵画と同様に、リビングや玄関などのインテリアとして飾られます。
名画の模写（複製）: 色褪せしにくい性質から、名画の複製として利用されます。オリジナル作品の保存と展示を両立させる手段として重要です。
壁画の記録保存: 壁画の劣化を防ぐために、陶板画として記録保存されます。オリジナルの壁画を保護しつつ、その姿を後世に伝えることができます。

主な製陶所（窯）

陶板画の製作を手掛ける主な製陶所（窯）としては、以下のものがあります。

ベルリン王立磁器製陶所（KPM Berlin）: 1763年にベルリン王立磁器製陶所として創業。特に肖像画の陶板画で有名です。
マイセン（マイセン窯）: 静物画や風景画など、多様なテーマの陶板画を製作しています。
大塚オーミ陶業株式会社: 大塚国際美術館や京都府立陶板名画の庭に展示されている陶板名画を製作しています。文化庁の依頼を受け、キトラ古墳壁画の複製も製作しました。

関連項目

陶磁器（陶器）
陶磁器絵付け
タイル
複製画
模写
キトラ古墳

外部リンク

大塚オーミ陶業株式会社
大塚国際美術館 - 世界初の陶板名画美術館
* 京都府立 陶板名画の庭

陶板画は、美術品としての価値だけでなく、文化財の保存という面でも重要な役割を果たしています。その技術と利用方法は、今後ますます発展していくことが期待されます。

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