陸前矢作駅

陸前矢作駅

陸前矢作駅（りくぜんやはぎえき）は、岩手県陸前高田市矢作町に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）大船渡線BRTのバス停留所です。元々は大船渡線の鉄道駅でしたが、東日本大震災による甚大な被害を受け、BRT（バス高速輸送システム）に転換されました。

歴史

陸前矢作駅の歴史は、1933年（昭和8年）2月15日に鉄道駅として開業したことに始まります。しかし、その建設中には悲しい出来事がありました。1932年（昭和7年）5月には、建設に従事していた日本人と朝鮮人の作業員の間で乱闘事件が発生し、3名もの死者を出すという痛ましい事件（矢作事件）が起こりました。

開業後、1962年（昭和37年）3月1日に貨物の取り扱いが廃止され、1984年（昭和59年）2月1日には荷物扱いも廃止されました。1986年（昭和61年）11月1日には無人化され、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、JR東日本の駅となりました。1998年（平成10年）には駅舎が改築されています。

2011年（平成23年）3月11日に発生した東日本大震災により、陸前矢作駅は営業を休止しました。その後、2013年（平成25年）には、駅舎待合室が住民の交流スペースとして一般開放されました。同年3月2日にはBRTによる仮復旧が行われ、従来の場所よりも竹駒駅寄りの国道上にBRTの駅が設置されました。同年4月26日にはBRT用の駅舎が運用開始し、国道上から移設されました。

2019年（平成31年）3月16日には、BRT専用道の延伸に伴い、駅は元の位置に移設されました。しかし、2020年（令和2年）3月31日には鉄道駅の駅舎待合室の開放が終了し、同年4月1日には気仙沼駅 - 盛駅間の鉄道事業廃止に伴い、鉄道駅としては廃駅となりました。

駅構造

現在の陸前矢作駅は、大船渡線BRTの終着駅であり、専用道の終端にバス回転場と乗降場が設けられています。乗降場には待合室とトイレが整備されています。かつては鉄道駅の駅舎待合室も利用可能でしたが、2020年（令和2年）4月以降に撤去されました。

震災前の旧鉄道駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、気仙沼駅管理の無人駅でした。ホームは互い違いに設置され、構内踏切で連絡していました。旧鉄道駅舎は1998年（平成10年）に建て直されたものです。

利用状況

JR東日本によると、2023年度（令和5年度）の1日平均乗車人員は10人です。2013年度以降の利用状況は以下の通りです。

（利用状況データは省略）

駅周辺

駅周辺は田園地帯が広がっています。2011年（平成23年）の東日本大震災では、約1キロメートル下流まで津波が押し寄せましたが、駅施設自体は大きな被害を受けませんでした。陸前高田市内の鉄道駅で、津波による流失を免れたのは当駅のみです。

駅の周辺には、国道343号、下矢作簡易郵便局、矢作川、陸前高田市立矢作小学校、奥州交通の「矢作駅前」停留所があります。

隣の停留所は、大船渡線BRTでは竹駒駅です。かつて存在した鉄道路線では、上鹿折駅と竹駒駅の間に位置していました。

脚注・出典・関連項目

（脚注、出典、関連項目は省略）

外部リンク

駅の情報（陸前矢作駅）：JR東日本

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