陸軍航空隊 (スペイン)

スペイン陸軍航空隊（FAMET）

スペイン陸軍航空隊、正式にはFuerzas Aeromóviles del Ejército de Tierra（FAMET）は、主にヘリコプター運用を担う部隊です。この部隊は、1965年に設立され、現在はマドリード州のコルメナール・ビエホに司令部を置いています。

設立の背景と歴史

FAMETは、1965年7月の陸軍再編成命令に基づき、陸軍内で新たに編成されることになりました。当初は第1機甲師団内に軽飛行隊として始まり、その後少しずつ人員が増強されました。1966年5月には、スペイン初のヘリコプター基地が設立され、同年夏にはアメリカからUH-1B型ヘリコプターが導入されました。このように、FAMETはヘリコプター運用の重要性を認識し、時代とともに発展してきました。

しかし、歴史の中では悲劇的な事故もあり、1966年12月にはUH-1Bが墜落し、乗員4名が命を落とす事件が発生しました。このような困難があったものの、FAMETは着実に成長し、1973年には正式に陸軍航空隊として編成されることが決定されました。この期間に第1ヘリコプター隊、第5ヘリコプター隊などが設立され、組織は発展していきました。

現在の編制

現在のFAMETは、次のような組織で構成されています。

• - 陸軍航空隊司令部：マドリード州コルメナール・ビエホ
• - 第1攻撃ヘリコプター大隊(BHELA I)：シウダ・レアル県アルマグロ
• - 第2緊急事態ヘリコプター隊(BHELEME II)：バレンシア県ベテラ
• - 第3機動ヘリコプター隊(BHELMA III)：ラ・リオハ州アゴンシージョ
• - 第4機動ヘリコプター隊(BHELMA IV)：セビリア県ドス・エルマーナスのエル・コペーロ基地
• - 第5輸送ヘリコプター隊(BHELTRA V)：マドリード州コルメナール・ビエホ
• - 陸軍航空隊通信大隊(BT FAMET)：マドリード州コルメナール・ビエホ
• - 陸軍航空隊後方支援群(GL FAMET)：マドリード州コルメナール・ビエホ

さらに、メリリャにはヘリコプター分遣隊が存在し、カナリア諸島にはカナリアス・ヘリコプター大隊も編成されています。

装備と技術

FAMETは、多様なヘリコプターを運用しており、歴代の装備では、アグスタ＝ベルのUH-1NやCH-47Dなど、高性能な機体が歴史に刻まれています。現在では、NHインダストリーズのNH90輸送ヘリコプターやユーロコプターのティーガー攻撃ヘリコプターの導入が計画されています。

これにより、FAMETは陸軍の現代化に貢献し、より効率的で迅速なヘリコプター運用を実現することを目指しています。また、教育センターや整備場センターも設置され、部隊の技術力向上に努めています。

結論

FAMET（スペイン陸軍航空隊）は、スペインの防衛において不可欠な役割を果たしています。その歴史や編成、装備の変遷から、現代における航空部隊の重要性を理解することができます。今後もFAMETは新たな技術の導入と人員の育成を行い、スペイン陸軍の一翼を担っていくことでしょう。

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