陸軍部隊旅団 (ドイツ連邦陸軍)

陸軍部隊旅団（Heerestruppenbrigade）についての概要

陸軍部隊旅団（Heerestruppenbrigade、略称：HTrBrig）は、ドイツ連邦陸軍における重要な旅団の一つであり、航空機動作戦師団に隷属しています。旅団の司令部はバーデン＝ヴュルテンベルク州のブルッフザールに所在し、その下に配置された部隊は南部ドイツ各地に広がっています。2002年から2008年までの間は陸軍部隊集団（Heerestruppenkommando、略称：HTrKdo）として組織されていました。

任務の概要

陸軍部隊旅団は、航空機動作戦師団を支える任務を担っていますが、さらに他の陸軍部隊や軍種に対する指揮と戦闘支援を実施する役割も果たしています。特に、安定化作戦が主な任務となっており、防空、砲兵、特殊武器の防護を行っています。この能力は第10装甲師団や第13装甲擲弾兵師団などの安定化戦力に対しても提供されています。旅団の構成はモジュラー化されており、即応能力を高めるために機動性が重視されています。これにより、指揮はブルッフザールの航空機動作戦師団司令部が行い、安定化戦力に対する支援を行うことが可能となっています。

部隊編成

旅団の編成は以下のようになっています：

• - 司令部中隊：バーデン＝ヴュルテンベルク州ブルッフザール
• - 第750特殊武器防護連隊「バーデン」：ブルッフザールに所在
• - 第345砲兵教導連隊：クーゼルに所在
• - 第12装甲防空砲兵大隊：ハルトハイムに所在
• - 第120軽特殊武器防護中隊：ゾントホーフェンに所在
• - 第300軽地対空ミサイル中隊：ハルトハイムに所在

歴史的背景

陸軍部隊旅団の起源は2002年3月6日に遡ります。このとき、既存の陸軍部隊集団が師団級コマンドとして編成され、ドイツ連邦陸軍の現役将兵約17,900人及び約18,000人の予備役兵を統括していました。陸軍部隊集団は指揮司令部直属の部隊として機能し、多国籍軍団、部隊学校、戦力基盤軍、救護業務軍などと並ぶ位置づけでした。集団の司令部はコブレンツに設置され、陸軍の機械化師団や多国籍軍団に対する状況把握と命令系統の支援に従事していました。また後方支援や部隊教育も担当しました。

2007年12月10日には陸軍部隊集団が旅団級コマンドへと格下げされることになり、旧集団の再編成が行われました。これにより、旅団の隷属系統は旧陸軍部隊集団のほぼ全てを継承し、編成の一環として第345砲兵教導連隊が第30装甲擲弾兵旅団から移行されました。2008年7月1日には新たな指揮階梯に基づき、陸軍部隊旅団として名称変更され、現在に至ります。

まとめ

陸軍部隊旅団は、従来の陸軍部隊集団からの再編成を経て、現代のドイツ連邦陸軍において重要な役割を果たしています。航空機動作戦の支援に特化したこの旅団は、その他の軍種にも迅速な指揮支援を行いながら、安定化任務と防護任務を遂行しています。また、モジュラー化された部隊編成により、必要に応じた機動力を維持し、戦略的な柔軟性も確保しています。今後もその活動が期待される存在と言えるでしょう。

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