陸軍降下猟兵章

陸軍降下猟兵章

陸軍降下猟兵章（りくぐんこうかりょうへいしょう）は、ナチス・ドイツが導入した軍事的勲章の一つであり、正式には『Fallschirmschützenabzeichen des Heeres』と呼ばれています。この勲章は、1937年9月1日にヴェルナー・フォン・フリッチュによって制定され、主に空挺降下試験を修了した陸軍の降下猟兵に授与されるものでした。

制定と授与条件

この勲章が授与されるためには、まず特定の空挺降下試験に合格しなければなりませんでした。この試験には、年1回の履修が義務付けられており、特定の技能や技術が求められました。また、年に6回以上のパラシュート降下を実施することも、勲章を得るための必要条件とされていました。これにより、受賞者は常に高い技術と体力を維持することが求められたのです。

陸軍から空軍への移行

しかし、次第に陸軍降下猟兵部隊は空軍に統合されることになり、結果として陸軍降下猟兵章の授与制度は廃止されました。空軍が新たに設けた空軍降下猟兵章が、今後このような業績を示すための勲章として適用されるようになりました。この移行は、組織と役割の変化を反映したものといえるでしょう。

戦後の状況

第二次世界大戦後、ドイツでは新たな勲章法が施行されることになります。この際、陸軍降下猟兵章もまたその影響を受けました。勲章に施されていたナチスの象徴であるハーケンクロイツは削除され、非ナチ化された形での佩用が認められました。その結果、古い陸軍降下猟兵章は新しい歴史の一部として生き残ることとなり、特に軍事史の愛好家やコレクターにとって重要な対象となりました。

参考文献

この陸軍降下猟兵章についての情報源には、以下のような文献があります。

• - Heeres-Verordnungsblatt. Teil A, 20. Jg., Nr. 39, 1. Juli 1938, Bl. 8, S. 56.
• - Heinrich Doehle著『Die Auszeichnungen des Großdeutschen Reichs』、4版、Berliner Buch- und Zeitschriften-Verlag、1943年、pp. 110（Nachdruck. Melchior-Verlag、2008年、ISBN 978-3-939791-93-5）。
• - Kurt-Gerhard Klietmann著『Deutsche Auszeichnungen. Band 2: Deutsches Reich. 1871–1945』、Die Ordens-Sammlung、Berlin 1971年。

これらの文献により、陸軍降下猟兵章の歴史やその文化的意義についてより深く理解することができます。

もう一度検索