陽炎 (陽炎型駆逐艦)

陽炎（かげろう）

陽炎（かげろう）は、日本海軍の陽炎型駆逐艦の1番艦で、1939年11月に竣工しました。この艦は、1899年に竣工した艦船の陽炎に次ぐものであり、海戦の歴史において重要な役割を果たしました。しかし、実際の写真は非常に少なく、その存在を知る人は多くありません。

艦歴

建造と第18駆逐隊時代

1934年12月、日本はワシントン海軍軍縮条約の破棄を通告し、その後2年でこの条約は失効しました。それを受けて、日本海軍は太平洋での活動を強化するための大型駆逐艦の建造を開始しました。1937年からの軍備補充計画で、18隻の新型駆逐艦建造が承認され、陽炎はその第三艦で、1937年9月に舞鶴海軍工廠で起工されました。1939年11月6日に竣工し、急速に実戦部隊に加わりました。

陽炎は、第18駆逐隊に編入され、同型艦の霞、霰と共に行動しました。1940年には特別観艦式にも参加し、太平洋戦争の開戦が近づく中、戦闘準備を整えました。特に、1941年の真珠湾攻撃には、機動部隊の護衛艦として出撃し、その任務を遂行しました。

ガダルカナル島の戦い

1942年8月7日、米軍がガダルカナル島に上陸する中、陽炎は整備を終えてトラック泊地に戻り、その後ソロモン海方面の任務に向かいました。陽炎は多くの補給作戦や敵艦隊との交戦に従事し、特に重火器としてその攻撃能力が発揮されました。8月22日にはガダルカナル島の米軍補給を阻止すべく出撃し、状況が厳しい中でも英勇な任務を遂行しました。

第三次ソロモン海戦

11月には、陽炎は再び増援部隊に加わり、ガダルカナル島への大規模な艦砲射撃と上陸作戦に参加しました。しかし、戦局は厳しく、米軍の反撃が続きました。陽炎は夜戦や空襲の中、連携を図りながら戦い続け、犠牲を伴いながらも日本軍の防衛に貢献しました。

沈没

1943年、陽炎はコロンバンガラ島への補給作戦で、輸送中に触雷し沈没しました。5月8日の早朝、視界の悪い中で触雷した親潮の周囲で捜索を行いながら、陽炎もまた同様の運命を辿りました。沈没時には多くの乗員が犠牲となり、艦の活躍が最後を迎えました。この艦は、その戦闘履歴とともに記憶され、現在も日本海軍の駆逐艦の中で重要な位置を占めています。

歴代艦長

• - 山本岩多 中佐（艤装員長）：1939年2月2日 - 1939年8月10日
• - 天野重隆 中佐：1939年11月1日 - 1940年10月15日
• - 横井稔 中佐：1940年10月15日 - 1941年12月22日
• - 有本輝美智 中佐：1941年12月22日 - 1943年6月1日

陽炎の歴史は、数多くの戦争の現場で戦った艦艦たちと共に、多くの証言や記録として残されています。彼女の壮絶な戦歴は、日本の海軍における艦船の運命を物語るものとなっています。

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