隆徳寺

隆徳寺の歴史と文化

隆徳寺（りゅうとくじ）は愛媛県新居浜市に位置する高野山真言宗に属する寺院です。この寺は四国三十六不動霊場の第24番札所として知られ、多くの信者に親しまれています。隆徳寺の童子名は法守護童子で、真言としておん　きまれい　そわかが唱えられます。また、御詠歌として「なる鐘の泉にけむる不動明王　炎とともに衆生をすくう」という言葉が伝えられています。

創建と歴史

隆徳寺の創建は文亀二年（1502年）にさかのぼります。その開山者については明確な記録が残っていませんが、寺は隣接する浦渡神社の別当寺として機能し、当初は浦渡寺として知られていました。寺院は長年にわたって繁栄し、明治43年（1910年）には近隣の正光寺と合併し、現在の隆徳寺という名称に改められました。これによって、寺の歴史と信仰の場がさらに広がりを見せることとなりました。

境内の構成

隆徳寺の境内にはいくつかの重要な建物があります。

• - 仁王門: 仁王像が安置された石造りの門で、観音堂の正面に位置しています。
• - 山門: 鐘楼門であり、不動堂の正面に建てられています。
• - 観音堂（本堂）:ここには正光寺の本尊である聖観音が祀られており、多くの訪問者が敬意を表しています。
• - 不動堂: 浦渡寺の本尊である不動明王が祀られており、四国三十六不動霊場の本尊として重要視されています。
• - 大師像: 正光寺の大師像は位牌堂に、浦渡寺の大師像は本坊に祀られています。
• - 高柳永代供養塔: かつては高柳大師堂が存在した場所に建てられた石造供養塔で、老朽化した堂は現在伝承されています。

また、周囲に宿坊は設けられていないものの、約30台分の駐車場が用意されています。

文化財

隆徳寺は文化財の保護にも力を入れており、正光寺山古墳群が新居浜市指定の史跡として指定されています。この古墳群には約839点の出土遺物が含まれており、ひとつひとつが貴重な歴史的価値を持ちます。指定範囲は広く、古墳は6基存在し、主に横穴式石室を特色とした円墳が10〜15メートルの大きさで見られます。この文化財は、かつて当寺の管理地だったが、後に新居浜市に移管されました。

前後の札所

隆徳寺は四国三十六不動尊霊場の一環であり、前の札所は23番の石鎚山極楽寺、次の札所は25番の睍壽院です。訪れる際には、これらの札所を巡るのも良いでしょう。

隆徳寺は、その深い歴史と精神的な寄与によって、多くの人々にとって特別な場所となっており、これからもその文化と信仰が受け継がれていくことでしょう。

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