階

階（かい）とは

階とは、建築物における各層を指す言葉です。英語ではfloor、storey、level、deckなどと表現されます。建物は、床、天井、壁で囲まれた層が垂直方向に積み重なって構成されており、その一つ一つの層が「階」と呼ばれます。

概要

階は、建物内部を構成する基本的な要素です。一つの階は、通常、間仕切りなどによって複数の部屋や廊下などに区画されています。階と階の間は、階段、はしご、エスカレーター、エレベーターなどの移動手段で接続されます。

建物の高さを測る際には、地上から軒や最高部までの高さと共に、階数が重要な指標となります。一般的に、1～2階建ての建物は低層[[建築物]]、3～5階建ては中層[[建築物]]、6階以上は高層建築物と区分されます。

また、通常の階の高さの半分程度のレベル差で階が連続する構成は、スキップフロアまたはステップフロアと呼ばれます。スキップフロアは階間の連続性が高く、回遊性があるため、展示施設などで活用されます。

階の数え方

地上階

階の数え方は、地域によって異なります。日本を含む東アジアや北米などでは、地上に最も近い階を1階とし、上に向かって2階、3階と数えます。一方、ヨーロッパや香港、シンガポールなどでは、地上に最も近い階を地上階（ground floor）とし、その上を1階、2階と数えます。したがって、日本の1階はヨーロッパでは地上階、日本の2階はヨーロッパでは1階となります。

また、日本では1階を地上階と呼ぶこともあります。

通常は1階上がるごとに1ずつ加算しますが、建物によっては、4階や13階などの忌み数を避けて飛ばしたり、倉庫や機械室として立ち入りを禁止する場合があります。

地下階

地下に設けられた階は、下に向かって地下1階、地下2階と数えます。地下の階が一つしかない場合は、地階（basement）とも呼ばれます。エレベーターの表示では、地上階を0として、地下階を-1、-2と負の数で表記することもあります。ただし、日本などでは負の数で表示しない場合もあります。

香港やマカオでは、地上階を「地下」、地下階を「地庫」と呼びます。

その他

屋上の階数表記では、屋根のない部分を主に使用する場合はroof（R）と表記し、屋上の建屋を主に使用する場合は、例えば屋上屋1階をfirst penthouse floor（P1）と表記します。

エレベーターの略号では、正規の階の間に位置する階にはMiddleの略である「M」を使用します。例えば、1階と2階の間の中2階は「M2」、1階と地下1階の間の中地階は「MB」または「MB1」と表記します。

その他にも、駐車場を示すために「P1」「P2」と表記したり、ホテルのロビー階を「LB」と表記したり、駅の「コンコース階」「ホーム階」「改札階」など数字やアルファベット以外の語を用いる場合があります。

建物の出入口がある階が、必ずしも1階とは限りません。坂道など高低差のある場所に建っている場合は、玄関が2階にあったり、地下階の一部が地上に出ていることもあります。

まとめ

階は、建物を構成する重要な要素であり、その数え方や表記は、地域や文化によって異なります。建物の構造や用途によっても、様々な階の表記方法があることを理解しておくことが大切です。

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