隔世遺伝

隔世遺伝とは？

隔世遺伝とは、親の世代には現れていない遺伝形質が、祖父母やさらに前の世代から世代を飛び越えて現れるように見える現象です。間歇遺伝や先祖返りの一部も、この隔世遺伝によって説明できます。

隔世遺伝の仕組み

最も単純な例として、メンデルの法則に従うような、一対の対立遺伝子によって決まる形質を考えます。この場合、隔世遺伝は、潜性遺伝子によって決まる形質で起こりやすくなります。

両親がともに潜性遺伝子を一つだけ持っている場合、両親には顕性の形質が現れ、潜性の形質は表面には現れません。しかし、子供は1/4の確率で潜性遺伝子を二つ受け継ぎ、潜性の形質が現れることがあります。もし祖父母の世代に潜性遺伝子を二つ持つ人がいれば、表面上は祖父母の形質が親の世代を飛び越えて遺伝したように見えるのです。これが、隔世遺伝の最も簡単なメカニズムです。

実際には、遺伝形質の発現は一組の対立遺伝子だけで決まるわけではなく、複数の遺伝子が関わることが多いため、隔世遺伝のすべてをこのような簡単な仕組みで説明できるわけではありません。しかし、親の世代でその形質が失われたように見えても、子供の世代でその形質が現れるということは、親の世代の染色体の中に何らかの形で遺伝子が保存されていたことを意味します。

また、知的障害などの障害も、親の世代での遺伝と同様に、隔世遺伝として現れることがあります。

隔世遺伝の例

男性型脱毛症: 母方の祖父から遺伝することがあります。祖父が脱毛症の場合、自身も男性型脱毛症になる可能性があります。
ABO式血液型: 両親や祖父母にO型がいなくても、両親がO型の潜性遺伝子を持っている場合（AO型またはBO型）、1/4の確率で子供にO型が現れることがあります。

関連用語

遺伝
遺伝子
DNA
ブルードメアサイアー
トルナ・アトラス
サンドラ・ライング

隔世遺伝は、遺伝の複雑さを示す興味深い現象です。一見すると予測できない形質が、世代を超えて現れることで、遺伝の奥深さを感じさせてくれます。

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