隼鷹 (空母)

隼鷹（じゅんよう）

隼鷹は、大日本帝国海軍の航空母艦で、名は猛禽類のハヤブサに由来します。隼鷹型航空母艦の最初の艦であり、建造番号は1002号艦です。航空母艦としての隼鷹の歴史は、1939年3月に始まり、当初は貨客船の橿原丸として建造されましたが、後に航空母艦へと改装されることになりました。1942年5月3日に特設航空母艦として竣工し、軍艦に編入されました。

概要

1942年の隼鷹は、第四航空戦隊の一員としてアリューシャン列島攻略作戦に従事しました。しかし、ミッドウェー海戦では日本海軍が大敗を喫し、空母の数が厳しく減少してしまいました。防御力や速力では劣るものの、隼鷹は中型正規空母に匹敵する航空機搭載能力を誇っており、重要な航空戦力の一部となっていました。

軍艦籍に編入された後、隼鷹は姉妹艦の飛鷹とともに第二航空戦隊を編成。内海西部での訓練を経て、南太平洋に進出し、いくつかの海戦に参加します。1943年には内地とトラック泊地を往復する任務に従事し、シンガポールやトラックへの輸送も行いました。

1944年にはマリアナ沖海戦に参加し、戦傷を負い防御力を強化した後、フィリピン方面への輸送作戦に従事しました。が、戦局が悪化する中、特に1944年11月にアメリカ潜水艦の攻撃を受けて損傷し、修理のため帰投することとなります。

特徴

隼鷹は、艦橋と煙突が一体となった大型艦橋を持つ日本最初の空母の一つでした。これは、後に建造される大鳳型航空母艦への実験を兼ねていたと言われています。また、商船としての設計を有していたため、戦争後半には火災に悩まされることもありました。戦闘中、大多和達也は隼鷹が敵の急降下爆撃を受けた際、至近弾がなかったことや、轟音を隠すため煙突が高く見えたことを証言しています。

装備の変容

1942年には対空能力の強化が行われ、1943年には新たなレーダーや対空火器が追加され、軍艦としての運用においても重要な役割を果たしました。マリアナ沖海戦後、隼鷹はさらなる対空火器を増設し、必要な改修工事も実施されました。

歴史

隼鷹の建造は、イギリスからの影響を受けた商船を空母化する考えのもとに進められました。最初に起工したのは1939年ですが、1942年には正式に軍艦となり、多くの海戦に参加しました。飛鷹と共に活躍し、多くの戦闘を経るも最終的には修理作業の後、終戦を迎えます。

損傷と解体

終戦後も隼鷹は艦長不在の状態が続き、最終的には解体されることとなりました。隼鷹の艦内には彼女が携わった歴史の痕跡が残されていましたが、商船へと戻されることはありませんでした。棲息地を失った隼鷹の鐘は今もアメリカで記念碑として存在し、彼女の名を刻むこととなりました。

隼鷹は、太平洋戦争で生き残った商船改造艦艇の中でも特に大きな存在であり、その物語は日本海軍にとって重要な一ページとして語り継がれています。

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